エミー・ファン!ブログ

エミー・ロッサムに関するニュースとJKの日記。 連絡は「告知」のコメント欄にでもお願いします。

Emmy Rossum's Favorite Songs vol.10 Damien Rice

エミー・ロッサムのお気に入り第10回「ダミアン・ライス」
O(オー) ダミアン・ライス

ダミアン・ライスは1973年アイランドの首都ダブリン生まれ、その後キルデア州のセルブリッジで育つ。プロデューサーのデイヴィッド・アーノルドに認められアルバム『O』(2002)でデビュー。これがヒットし順調にキャリアをスタートさせた。さらにマイク・ニコルズ監督、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン出演映画『クローサー』に『O』からの曲「ザ・ブロウワーズ・ドーター」が実質的な主題曲として使用され、日本でも広く知られるようになった。2006年に『9』を発表。

シンガー・ソングライターといえば「曲と声があればいい」とされることがあるが、いい曲といい歌にこそそれにふさわしいバッキングが必要だと考えるような人にはダミアン・ライスは最適だと思う。もちろん本人の声は繊細な歌声からつやのある声、やや荒っぽい歌まで、七色の声とまでは行かなくてもある程度は幅がある。しかしそれを引き立てるのは大胆に使われるバック・コーラス、チェロを中心としたストリングス、そしてピアノである。それらが考え抜かれたアレンジと絶妙のタイミングで曲に彩を添え、歌を引き立たせる様は実に見事で、近年のオーソドックスなシンガー・ソングライターではベストではないかと思う。

エミー・ロッサムのデビュー・アルバム『InsideOut』のラスト「Anymore」のアレンジもこの人からの影響があるだろう。

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Emmy Rossum's Favorite Songs vol.9 David Gray

エミー・ロッサムのお気に入り第9回「デヴィッド・グレイ」
デヴィッド・グレイ_グレイテスト・ヒッツ

例の「ユア・ビューティフル」がヒットする前、90年代に台頭したイギリスのソロ・シンガーはなかなかアメリカではヒットしなかった。そんな中で健闘したのがこのデヴィッド・グレイ。しかも彼のブレイクの仕方もなかなかドラマチックだ。

デヴィッド・グレイは1968年、イギリスのマンチェスター生まれ。デビューは1993年の『A Century Ends』、以降『Flesh』(1994)、『Sell, Sell, Sell』(1996)とアルバムをリリースし、レディオヘッド やデイヴ・マシューズ・バンドのライブの前座を務めていたが、レコード会社から契約を解除された。その後わずかなミュージシャンと一緒に作った『ホワイト・ラダー/White Ladder』(1999)が以前から彼の人気が高かったアイルランドでまずヒットして、それを受けてメジャー・レーベルと再契約し英米でも成功した。アイルランドで受けた理由は彼の国が歌の国だからだと思うのだが、プロの人にはこう見ているらしい。その後に『ア・ニュー・デイ・アット・ミッドナイト/A New Day at Midnight』(2002)、『ライフ・イン・スロー・モーション/Life in Slow Motion』(2005)を発表している。

『ホワイト・ラダー』は予算がないことを逆手にとってほとんど本人とドラマーのクレイグ・マックルーンと二人でアルバムを作り、その音数の少なさがデヴィッド・グレイの歌を引き立てることになった。簡素にしてモダンな音作り(アコギやストリングスのかぶせ方がうまい)の「ドウゾ・ボクヲ・ユルシテ」や「バビロン」を聞かせる一方で、「夜盲症」や「今年の恋」などのバラード・ナンバーで曲作りのうまさを見せ付ける。暗闇に薄っすらと光が差すかのような「セイル・アウェイ」、この曲に代表されるように大げさに盛り上げることのない一歩引いた感じの歌唱はこの人の大きな特徴だ。

『ア・ニュー・デイ・アット・ミッドナイト』では核となるのは前作と同じ二人の音作りだが、予算が増えたのだろう、ストリングやブラスを初めとした色々な音が導入されている。中でも「フリーダム」でのイントロのブラス、「キャロライン」での現代的なビートに絡みつくペダル・スチール(弾くのは英国の名手B・J・コール)が印象に残る。しかしながら核となるのは「ビー・マイン」での力みすぎない歌唱や、ピアノを使いながらシリアスな「ジ・アザー・サイド」における彼の感情表現の深みだ。

『ライフ・イン・スロー・モーション』ではやや路線が修正されている。プロデューサーにマリウス・デ・ヴリースを迎えたこのアルバムはストリングス等が隠し味ではなく堂々と曲での居場所を主張している。1曲目の「アリバイ」からしてオーケストレーション抜きではなりたたないようなアレンジ、つまりは正統派ソロ歌手仕様になっている。こうなるとややボーカルが単調な点が気になるが、そこはなんとかソングライティングで乗り切っている。オルガンによるイントロやコーラスが印象に残る「ホスピタル・フード」などは以前の持ち味のままだ。

2007年にはベスト・アルバムが発売されているが、彼がどの方向へと進むのか気になる。

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Emmy Rossum's Favorite Songs vol.8 Sigur Ros

エミー・ロッサムのお気に入り第8回「シガー・ロス」

Sigur Ros ()
『()』(2002)

アイスランドで最もよく知られたバンドとなったシガー・ロスは1994年に首都レイキャヴィクで、ヨンシー・バーギッソン(ボーカル、ギター)、ゲオルグ・ホルム(ベース)、アガースト(ドラム)で結成。バンド名は勝利の薔薇の意味でヨンシーの妹の名前から取られた。アルバム・デビューは『ヴォン/Von』(1997)、翌年の1998年にはリミックス・アルバムの『リサイクル・ボトル/Von Brigoi (Recycle Bin) 』を発表。新たにキャータン・スヴィーンソン(キーボード)をメンバーに迎えて作られた『アゲイティス・ビリュン/Agaetis Byrjun』(1999)が国外でも評判となり日本でビューも果たした。この頃にはキャメロン・クロウ監督『バニラ・スカイ』に楽曲を提供するなど幅広い活躍を見せる。ドラマーがオーリー・レイソンに交代して発表された『()』(2002)は国際的にもさらに高い評価を受けた。その後『Takk...』(2005)、未発表曲とアコースティック・ヴァージョンからなる2枚組『クヴァルフ / ヘイム〜 消えた都/Hvarf/Heim』(2007)を経て、今年2008年には新作『残響/Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust』を発表。

多くの映画にも使用される彼らの音楽はとても想像力をかき立てるものである。デビュー・アルバム『ヴォン』の1曲目などはホラー映画のBGMを思わせる、少しもったいぶった感じもするが不安を煽るような音が鳴り、さらにそこにそこにノイズが絡むといった具合だ。しかし典型的なシガー・ロスと言ったら2曲目のような曲だろう。リズムはあまり強調されず、ゆったりとした音像にギターや他の楽器の音が重なる。それをアンビエントと読んでも差し支えない。その一方でベースが一定のリズムを刻み、他の楽器がそれに絡む「オルセン・オルセン」(『アゲイティス・ビリュン』)のような曲や「ヌイ・バッテリー」(『アゲイティス・ビリュン』)のようにややロックっぽい混沌とした曲もある。またクラシカルなアレンジを取り入れた一連の曲(「オルセン・オルセン」の中間部などは曇り空から急に光が差すような風景を連想させる)も特徴の一つにあげておきたい。さらに「ホッピポッラ」(『Takk… 』)などは、クラシカルとも少し違った高揚感を持つ曲である。

なお、ヨンシーがチェロの弓を使って得られるサウンドも特徴の一つで、上に挙げた様々な音がこれによって奏でられているが、文中では「この曲のこの部分」とは指定していない。

* エミー・ロッサムがコンサートを見たときのブログ

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Emmy Rossum's Favorite Songs vol.7 Dido

エミー・ロッサムのお気に入り第7回「ダイド」

ライフ・フォー・レント_ダイド
『 Life for Rent/ライフ・フォー・レント』(2003)

ダイド、この歌手が発表したソロ・アルバムが2枚ということを考えればそのキャリアの紹介はわりと簡単だ。本名ダイド・アームストロングは1971年12月25日ロンドン生まれ。兄であるロロが在籍するグループ、フェイスレスのアルバムに参加。その後1999年にアルバム『ノー・エンジェル』でソロ・デビュー。ドラマ『ロズウェル』に使われた「ヒア・ウィズ・ミー」とエムネムの「スタン」にサンプリングされた「サンキュー」、この2曲が話題となってアルバムは大ヒット。続く『ライフ・フォー・レント』もヒット。ということになる。そして彼女の音を表現するときに言われるのはその湿った、憂いをひめた声。こんな感じである。確かに彼女の声は独特で魅力的だが、サウンドはトリップ・ホップというほどには尖ったものではない。実は彼女には正式なソロ・デビュー前に作ったデモ・テープがあって『ノー・エンジェル』のボーナス・トラック3曲はそこからの楽曲らしい。ここではアルバム本編よりはやや尖った、陰鬱な音を聞くことが出来るが、ソロ・シンガーの作品としてはややインパクトに欠ける。逆に言えばファーストの音作りはそうしたサウンドの色を残しながらも、もっとポピュラー寄りな音を作り出したことを評価すべきだろう。

ダイドの特徴の一つである途中で声をひっくり返す歌唱法は、シネイド・オコナーやザ・クランベリーズのドロレス・オリオーダンに似ているが、そのときの声が濁らずにきれいであると言う点ではサラ・マクラクランに近い。サラは声が裏返ってもきれいに高い音が出るが、ダイドの場合は元々きれいな声ではなく(だからハイ・トーンと表現されることには違和感がある)、ひっくり返ったときに声の湿り気が増す。そこに細かな感情表現や微妙なニュアンスが込められて、多くの人にインパクトを与えることになる。

『ノー・エンジェル』は「ヒア・ウィズ・ミー」、「ドント・シンク・オブ・ミー」などのストリングスをうまく使ってダイドの声を際立たせる曲で始まる。前者はサビでのひっくり返る彼女の声が、後者はサビの裏で鳴るストリングスとダイドの力強い歌が見事だ。そしてこうしたダイドの声に負けないくらいに靄がかかったような音像はエミー・ロッサムが自らのアルバムを評したアンビエント・ポップに近い。この後にシンプルにギターが刻まれる曲が数曲続いた後に実兄ロロがプロデュースをしたビートが印象的な曲が登場する。「サンキュー」は歌に注目が集まりがちだがパーカッションの音がいい感じで鳴り、ビートが耳に残る曲である。他にはダブ的な音処理の「オネストリー OK」、メランコリーな「スライド」とここはロロのアイディアが出たと思われるやや尖ったが音が続き、本編のラストはまたシンプルな曲調で締められる。

2003年に発表した『ライフ・フォー・レント』は「ドント・シンク・オブ・ミー」を踏襲したような曲調で、サビに胸が締め付けられる「ホワイト・フラッグ」から始まり、前作と似た傾向の曲も多いがアコースティック・ギターをうまく使ったフォーク的な発想で作られた曲が目立つ。「ライフ・フォー・レント」、「メリーズ・イン・インディア」が代表的で「ディス・ランド・イズ・マイン」などはダイドの明るい曲としてはベストだろう。その他の曲もアレンジを素直にすればフォーク・ロックになりそうな曲が多い。フォーク的なイントロではないものの「シー・ザ・サン」や「ドント・リーヴ・ホーム」(これまたサビへの展開がとバックのストリングスが素晴らしい)がそうだ。

さらには前作の暗めな部分を受け継いだ「ストーンド」、「シー・ユー・ホエン・ユーアー・40」といった曲もあるが、そうした前作からの流れを一つの曲に詰め込んだような曲もある。アコースティック・ギター、パーカッション、ストリングス、ループ音が重なり合う「フー・メイクス・ユー・フィール」、「サンド・イン・マイ・シューズ」、「ドゥ・ユー・ハヴ・ア・リトル・タイム」等がこのアルバムの新機軸となっている。

ともあれダイドの一番の魅力がその不思議な声にあることには間違いない。2008年にはサード・アルバムが発売される予定。

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エミー・ロッサム『インサイド・アウト』全曲解説:後編

「ララバイ」ハァー・コーラスから始まり、それが中盤にも使われるタイトル通りに穏やかな曲調と歌声が母性を感じさせる1曲。面白いのはリエゾンをして"んにゃ"と聞こえるところ。これはアイルランドのシンガーを思い出したが、具体的に誰の歌だったか思い出せない。今回色々と聞いてみてクラナドをあげておく。ボーカルはエンヤの姉こと、モイヤ・ブレナン。エンヤが在籍し、彼女のプロデューサーでもあるニッキー・ライアンがプロデュースした『ファム』からの曲「美しい若者」(ビクター盤邦題は「素敵な彼ら」)。残念ながらアルバムは持っていないのでベスト盤『妖精のレジェンド~ベスト・オブ・グラナド 』から。蛇足ながらこの頃のクラナドはベースが実にかっこいい。
「ドント・ストップ・ナウ」バックの静けさと情熱を秘めたボーカルがうまくマッチングした曲で、エミーの表現力がよく出ている。バックで鳴っているリズムマシンで連想するのはフィル・コリンズだが、それだと古過ぎるのでシネイド・オコナー「サンキュー・フォー・ヒアリング・ミー」(『ユニヴァーサル・マザー』)とまたまたダイドのファーストから「スライド」をあげておく。隠し味としてシガー・ロスの「シエ・レスト」(『Takk…』)あたりも入っているだろうか。
「ハイ」またしてもボーカルから始まるこの曲は、実は最後まで参考となる曲がなかなか思い浮かばなかった。声の感じはダイドに近いのだが、彼女にはあまり明るい曲調がないので違う。クランベリーズの「オードゥ・トゥ・マイ・ファミリー」(『ノー・ニード・トゥ・アーギュ 』)やデヴィッド・グレイの「ラスト・ボート・トゥ・アメリカ」(『ア・ニュー・デイ・アット・ミッドナイト』)は似ているがやはり曲調が違う。色々と探した結果、スチュアート・ブローリーがブランディーに提供した「カム・ア・リトル・クローサー」(『フル・ムーン』) が一番近かった。しかしこの曲のポイントはなんと言ってもその高揚感だ。これはシガー・ロスの「ホッピポッラ」(『Takk…』)のそれにも似た独特のものがある。
「ア・ミリオン・ピーシズ」ストリングスも印象的なこの静かで美しい曲が個人的にはアルバムで一番の出来だと思う。声の使い分けもお見事。アレンジとリズムはJEMの「ステイ・ナウ」(『ファイナリー・ウォークン』)に、後半の盛り上がりはフル・フルの「イッツ・グッド・トゥ・ビー・イン・ラヴ」。さらにはこの名前を出すのは安易だと言われそうだがケイト・ブッシュの「ディーリアス(夏の歌)」(『魔物語』)も似たような雰囲気があるということであげておこう。
「雨の日と月曜日は」ポール・ウィリアムスとロジャー・ニコルズのペンによるカーペンターズのこの曲は、ほとんどのベスト盤に入っている彼らの代表曲の一つ。アルバムとしてはセルフ・タイトルの3枚目に収録。カーペンターズはオリジナル・アルバムよりはベスト盤でという人も少なくないだろうが、アルバム単位で聞くと改めてリチャード・カーペンターの存在を強く感じるという、極当たり前の感想を持つ。有名曲なだけにカバーも多いが作者のポール・ウィリアムスも自身のアルバム『友に捧げる詩』で歌っているのでカーペンターズの歌と比較してみよう。カレンの歌は全体的には憂鬱をかもし出しながらも、リチャードの声と合わせて仄かな明るさも感じさせるのに対して、ポール・ウィリアムスはいかにも憂鬱そうだ。歌詞からすると後者の方が正しいのかもしれないが、それだけでないニュアンスを出すところがカレンのボーカリストして凄いところだ。エミーのアレンジは「スロー・ミー・ダウン」風のアレンジが窓を締め切った雨の日を連想させる歌詞に忠実な印象だ。
「エニイモア」この曲は「グレート・ディヴァイン」と同じくドリー・パートンの歌に影響を受けたと言う曲だが、歌詞が会えない父親のことを歌っているだけあり、実にエモーショナルなボーカルとなっている。「歌追い人」のサウンドトラックだとアイリス・ディメント 「プリティ・サロ」 が一番近いか。ドリー・パートンはキャリアがとてつもなく長いのでベスト盤と最新作しか知らないので、影響云々を指摘することはできない。その最新作『バックウッズ・バービー』は久々のカントリー・アルバムということになるとのこと、「メイド・オブ・ストーン」などこの曲に似ているのではないかと思う。ドリーは外見が派手なだけに誤解されやすいが、ソングライターとしても優れていて、「オールウェイズ・ラヴ・ユー」などは『ボディガード』でのホイットニー・ヒューストンの熱唱もいいが、オリジナルもいい。

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