Spotifyでエミー・ロッサム
2016 / 12 / 23 ( Fri )
Spotifyでエミー・ロッサムのアルバムが聞けます。それだけではなくアメリカでダウンロードのみで発売されていた曲やゲスト参加曲なども聞けます。


まずは2007年のデビュー・アルバム『Inside Out』全曲。ボーナス曲としては「Been Too Long」、本編ラスト「Anymore」と同じく父親への嘆き節な歌詞だと思われる。アルバムのカラーとしてはこちらの曲のほうがふさわしいが、アルバム最後の曲としては「Anymore」のほうがふさわしいだろう。

アルバム制作時期のゲスト参加曲。Cruel One (featuring Chantal Kreviazuk & Emmy Rossum)
The Callingのボーカリスト、アレックス・バンドのソロ・アルバム『We've All Been There: Alex Band』ボーナス曲。ドラマチックな曲であるがサビがやや弱いようにも感じる

『Carol Of The Bells EP』
1 Carol Of The Bells 2:40, 2 O Holy Night 3:29, 3 Have Yourself A Merry Little Christmas 3:36

エミーが子供のころに何度も見たという映画『ホーム・アローン』シリーズでかかっていた曲「Carol Of The Bells」、「Have Yourself A Merry Little Christmas」を含むクリスマスEP。前者はウクライナの曲、後者はジュディ・ガーランド主演『若草の頃/MEET ME IN ST. LOUIS』からの曲。ちなみにこれらの曲はカーペンターズも取り上げている。残りの「O Holy Night/さやかに星はきらめき」はフランスの曲。アレンジは「Carol Of The Bells」がアルバムと同じように多重コーラスを駆使したもの。他の2曲はそれよりもオーソドックスなアレンジ。曲としては「O Holy Night」がエミーに一番あっているように思う。

『Sentimental Journey』はコメンタリーつきがこちらで聞けます
https://open.spotify.com/album/0M6UYNOWTCQoQ7amwrD8bl

一応曲だけのヴァージョン


元曲と思われるものを集めたもの
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コリン・バス(コリン・バース)の新アルバム『アット・ワイルド・エンド』はキャメル、3ムスタファズ3より新人脈に注目
2015 / 11 / 15 ( Sun )
アット・ワイルド・エンド2015コリン・バス
『アット・ワイルド・エンド』コリン・バス

キャメル、3ムスタファズ3のコリン・バス(コリン・バース)のソロ・アルバム、10年以上出していなかったので久しぶりだ。その間に彼がしていたことで記憶に残っているのはドイツのラジオ番組を担当(これはネットで聞くことができた)、喋りはドイツ語なので何言っているが分からなかったが(日本の曲もかけていた)アフリカのギター音楽が一番よくかけていたと思う。そしてサバ・ハバス・ムスタファズ名義のソロ・アルバム『ジャラン・コポ』と『ソ・ラ・リ』に参加していたインドネシアのサンバスンダの紹介に力を尽くしたことは当ブログでも少し触れた。

話はそれるが『ソ・ラ・リ』がBBC Radio 3 World Music Awardのアジア部門にノミネートされたことがは特筆すべきだ。イギリスにとってアジアと言えばまずはインドだ。そしてインドが音楽大国であることは否定しようがないのだが、どうもイギリス人は伝統的、真面目な音楽を高く評価する傾向にある。それをインド以外の地域でも適用するので、アジア部門はどうしてポピュラー音楽は二の次になるという印象がある。サバ・ハバスのアルバムは1枚目の『デンパサール・ムーン』のタイトル曲からして本格的ではないがダンドゥットのスタイルに取り入れている。それだけでも偉いが、『ジャラン・コポ』と『ソ・ラ・リ』は西ジャワのスンダ音楽を取り入れるという他の人がやりそうもないことをやっている。

本作の特徴としてまずあげられるのはキャメル、3ムスタファズ3という彼のキャリアを代表するバンドのメンバーを多く参加させていることだ。キャメルからはアンディ・ラティマーとデイヴ・スチュワート(ドラム)が参加し、1曲目の「Return to Earth」は今は亡きキーボード奏者ガイ・ルブランに捧げられている。、3ムスタファズ3からはヒジャズ・ムスタファ(ベン・マンデルソン)とケモ・ケムケム・ムスタファ(キム・バートン)をメインに数名が参加している。しかし注目したいのは新しい人脈だ。9Bachのリサ(ボーカル)、シアン・ジェームス(ハープ)、ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキのジョン・ローレンス(ボーカル)といったウェールズのミュージシャンが参加している。僕は不勉強で知らなかったが現在コリンはウェールズを拠点にしているようでアルバムが録音されたWild End Studioもウェールズにある。9Bachの『ティンシャン』はコリンのプロデュースでここの録音だ。「If I Could Stay」は「Along the Menin Road」や「Banks of the Nile」にインスパイアされたというし、有名曲をもじった「Girl From the Northwest Country」のタイトルから分かるようこのアルバムはにはフォーク的な曲がある。といいながら「Girl From the Northwest Country」ではサバ・ハバスが好きそうなアフリカ的なギター(ヒジャズとアラン・プロッサー)が聞かれれる曲だったりする。そうした曲には歌の本質みたいなものを抽出したようなものを期待してしまうのだが、ここではそうならず逆に仏作って魂入れず状態になってしまっている。つまり曲作りが弱すぎる。それはアンディ・ラティマーの起用曲にも言える。一番キャメルに近いというとタイトル曲となるがこれも練り足りない気がする。「Walking to Santiago」で彼がナイロン弦ギターを弾くのは珍しいのかもしれないが曲が良くなければ何も起こらない。

逆に面白いのが「Darkness on Leather Lake」だ。これはオールマン・ブラザーズ・バンド風というようなアメリカンな曲でいつもと違うラティマーが聞ける。彼が自分の音が決まる前にオールマンなどもよく聞いていた姿を想像できたりもする。キャメルとオールマン・ブラザーズ・バンドではかなり差があるように思える。そこでキャメルのオリジナル・キーボード奏者ピーター・バーデンスの『The Answer』を思い出してみよう。ギターにはピーター・グリーン、パーカッションにはローリング・ストーンズの「Sympathy for the Devil(悪魔を憐れむ歌)」に参加したことで知られるロッキー・ディジョン。こうした音を間中に置くことでオールマン・ブラザーズ・バンドやサンタナとキャメルの距離がぐっと近づくのではないだろうか。

サバ・ハバス色の強い曲は短めのインストの2曲。「Szegereli Eternal」ムスタファズの故郷シェゲレリ村をタイトルにした曲はちょっと不気味だがケムケムとヒジャズが参加。「Bubuka Bridge」はコリンのフレットレス・ベースとヒジャズの口琴に、ジャンベを叩くイスメット・ルヒマットほかのインドネシア勢が参加、こちらの方が面白い。

そのほかではコリンが70年代初頭に参加していたパブ・ロック・バンド・クランシーのことを歌った曲「In Another Time」が面白い。それ風のサウンドに絡むオイスターバンドのアラン・プロッサーのギターがとても心地よい(オイスターバンドは3ムスタファズ3関係者が参加したアルバムがあるのでその人脈か?あるいはたんにご近所さんなのかもしれない)。キャメルへの途中参加や弟キャラクター設定の印象があるのでそんなにベテランと感じないが、アンディ・ラティマーと同世代になる。なのでダムド(アンクル・パトレル・ムスタファ・ビン・ムスタファことルー・エドモンズ)やマガジン(“ヒジャズ・ムスタファことベン・マンデルソン)出身のニュー・ウェーヴ世代の3ムスタファズ3の他のメンバーより少し上の世代となる(関係ないがこの二人とレ・トリアボリックというユニットを組んだジャスティン・アダムズもライブで見るとワールド・ミュージック探究者というよりはニュー・ウェーヴ世代の音楽家と感じた)。

というわけでコリン・バスのアルバムとしてはかなり物足りないのだが、今後キャメルやサバ・ハバス・ムスタファズの次の作品にいい形でつながることを期待したい。
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Assagai全2枚のアルバム再発に際してJade Warriorとの関係を考察し、妄想する。その3
2015 / 03 / 07 ( Sat )
アサガイ全2枚のアルバム再発に際しジェイド・ウォリアーとの関係を考察し、妄想する。その3

その1 その2
Zimbabwe

『Zimbabwe』
このアルバムの管楽器の役割は前作の歌をサポートするようなものから少し変わって、リフやフレーズを担当するブラス・ロックと呼ばれた音楽のそれに近づいたと思う。
(1) Barazinbar (Havard)
ジョン・フィールドの音の置き方と言うべきようなものが特徴的で好きなのだが、Jade WarriorのオリジナルFWはそんな要素も入った15分のジャム・ナンバー。これをAssagaiは6分にまとめている。ジャズメンが参加しているのだから長くすることは可能なわけで6分に収めることは狙っていると考えるべき。オリジナルよりテンポアップされ管楽器が入るタイミングも早い。もちろん音の厚みはAssagaiが上。後半のソロ回しに手に汗を握る
(2) Wanga (Mdenge)
新ヴォーカリスト・マーサ・ムデンゲアの個性が出た曲、浮遊感が特徴
(3) La La (Mdenge)
しっとりとした曲、フルートやピアノがアイランド時代のJade Warriorを思わせる。ヴォーカルのマーサ・ムデンゲはアイランド移籍1枚目『Floating World』FW最後の曲に語りで参加(つまりJade Warriorはナイジェリア勢、南アフリカ勢、新メンバーとAssagai全体と係わっていたということになる)
(4) Dalani (Pukwana)
もちろんサックスが引っ張るドゥドゥ・プクワナ作曲のインスト。テンポチェンジも効果的
(5) Bayeza (Mdenge)
ムデンゲが作った曲からは前作にあったラテン経由の柔らかなギターは聞かれずに、静かなサウンドが耳に残るが、ここでのギターはファンキーで一番勢いがある(リンダ・ルイスを思い出した)。中盤のサックス・パートも強力
(6) Sanga (Field)
これはJade Warriorの曲FWだが自身の録音はもう少し後の73年、しかもそのアルバム『Eclipse』はお蔵入りしたといういわくつきの曲だが、公式サイトを見るとカヴァーとあるのでAssagai用に書いた曲ではなく、自身のレパートリーと判断すべき曲だ。オリジナルはいかにもジョン・フィールドらしいフルートに始まり、中盤からノイジーなギターが登場し、その後はフルート、ギター、パーカッションの掛け合いとなり元に戻るという構成。Assagaiヴァージョンは冒頭のフルートの静のイメージは継承されるがドラムと管楽器が入ってくると静というよりファンキーになるので好みを分けるかもしれない。ギターの出番はほとんどなくサックスがとフルート絡みが中心となる。最後に最初のテーマに戻るとサックスのほうが目立つ
(7) Come Along (Mdenge)
「Wanga」と同じくギターとコンガが光る爽やかな曲
(8) Kinzambi (Duhig)
Jade Warrior公式サイトによればトニー・デュヒグの書下ろし曲。サックスを中心とした一体感はアルバムでも一番だと思う。ブレイク後に炸裂するギターが素晴らしい。これはトニーによるものと思いたい

Jade Warrior自身の楽曲クレジットはバンド名義か連名なのだが、ここでは個人名義になっている。「Sanga」のジョン・フィールドは納得だが、「Barazinbar」グリン・ハヴァードは意外。

こうして考察と妄想の旅は終わった。信じるか信じないかは自由だ。
ちなみに『Assagai』の再発CDは買っていない。『Eclipse』は出てこない。

参考文献:レコード・コレクターズ1995年3月号、1997年1月号、2005年10月号ほか
http://www.jadewarrior.com/
http://www.radagast.org/assagai/
その1 その2
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Assagai全2枚のアルバム再発に際してJade Warriorとの関係を考察し、妄想する。その2
2015 / 03 / 07 ( Sat )
アサガイ全2枚のアルバム再発に際しジェイド・ウォリアーとの関係を考察し、妄想する。その2

その1 その3

2枚目の『Zimbabwe』のCDブックレットにについているのは71年2月のメロディー・メーカーの記事なので、ここに書いてあるミュージシャン名はアルバムのものではない。やはり一番信用できそうなのはオリジナルLPの裏面だが、その前に1枚目と2枚目の間にあったことを整理したい。1枚目のCD解説によるとSound Of The Seventiesというラジオ番組ラジオ番組に出演して「Telephone Girl」「Cocoa」「Beka」「Monday One」を演奏したとある。このときは1枚目のメンバーに加えてガーナ人女性テリー・クワイエ(conga)、フレッド・フレデリック(t sax)が参加した。さらにこのメンバーによる演奏が収録されているオムニバス・アルバムに『Afro Rock Festival』というのがあり、そこには「Kondo」「Jabula」が収録されている。

このオムニバスには有名なほうのアフロ・ロック・バンドであるOsibisaも収録されているが、もっと注目すべきなのがSimbaだ。これはJade Warriorの3人とAssagaiの管楽器隊が組んだユニット?であり、シングルである「Louie Louie / Movin'」を収録したものである。幸いにも動画サイトで聞くことができた。A面は言わずと知れたロックンロール・クラシック、Assagaiほど重厚感はないが見事なアフロ・ロック・アレンジになっている。問題なのがB面の「Movin'」だ。軽快なギターに始まるが曲が進むにしたがってSpencer Davis Groupの「I'm a Man」に似ていると気付く、作曲者はJade Warriorの3人となっていて、いわゆるパクリである。「I'm a Man」は元々パーカッシブなアレンジが施された曲なのでカヴァーとしてもこれまた見事なアフロ・ロック・アレンジにはなっている。彼らはどうしてこんなことをしたのか、ここで思い出すのは「I'm a Man」のプロデューサーがジミー・ミラーであることだ。彼はSpencer Davis GroupからTrafficさらにはRolling Stonesをプロデュースした。その中で彼はRolling Stonesの「Sympathy for the Devil」ではガーナ出身のロッキー・ディジョーンを起用し、元Creamのジンジャー・ベイカーがアフロ・ジャズに挑戦したAir Forceのプロデュースも担当した。このことからわかるように彼はブリティッシュ・ロックのアフリカ化、リズムの面白さを追求した人である。それではSimbaがなにを考えてこれを録音したのか、単なるB面曲だから、アフリカ的なものなら俺たちのほうがうまいとアピール、じつはSpencer Davis Groupのほうがパクったと色々考えてみると面白い。Simbaのメッセージがジミー・ミラーに届いたかは不明だが、あの曲を歌ったスティーヴ・ウィンウッドには届いたようで、Jade Warriorウィンウッドを介してアイランド・レコードと契約し、75年の『Waves』WAVESでは彼がゲスト参加した。(Simbaの「Movin'」はTOKYO NO.1 SOUL SET「状態のハイウェイ」のサンプリング・ネタTN1
http://www.discogs.com/Various-Afro-Rock-Festival/release/721298

再びJade Warriorのカヴァーが収録されたAssagaiの2枚目『Zimbabwe』はフィリップスから (6308 079)としてリリースされた、じつはヴァーティゴでのリリース予定がありレコード番号は(6360 058)だった。Jade Warriorの『Released』は(6360 062)なのでカヴァー曲とオリジナルが同時期に(場合によってはAssagaiのほうが早く)発表されたことになる。どうして移籍したのか?Jade Warriorでさえ3枚のアルバムを出せたのだから商業的理由とも考えにくい。やはりグループが分裂/解散状態にあったのだろう。実験的なレーベルのヴァーティゴからフィリップスへの移籍というのもよく分からないが、Jade Warriorにヴァーティゴから出せなかったアルバムがあることを考えればお蔵入りにならなくてよかったと思いたい。またこのアルバムはほかの会社から『Afrorock』(Sounds Superb SPR 9005)のタイトルで再発されている。

ジャケット裏にある名前は1枚目からのドゥドゥ・プクワナ(a sax)、モンゲジ・フェザ(tp)、ルイス・モホロ(ds)、ビゾ・ムングクィカナ(t sax)、過渡期のメンバーからテリー・クワイエ(conga)、フレッド・フレデリック(t sax)、そして新たにマーサ・ムデンゲ(voacal)、スマイリー・デ・ジョンネ(Conga,per)となっている。これに加えてJade Warriorが手伝ったとある(原文:Thanks to fellow Vertigo artists Jade Warrior for strumming, picking, banging and blowing along, not to mention writing and arranging a few steamers)。これを読んだほとんどの人がギターとベースはトニー・デュヒグとグリン・ハヴァードによるものだと判断するなら僕の妄想など必要ない。それと同時にこの二人があまり参加していないと考えることは彼らにはAssagai並の演奏は難しいというバカにした意見でもある(とはいえSimbaのプレイは悪くない)。ただ全面的に参加しているならもう少し別の書き方があると思う。Jade Warrior公式サイトの書き方もはっきりしない。それにクレジットにない人が演奏している場合もある。たとえば新ヴォーカリストのマーサ・ムデンゲ作曲の曲では歌っている本人がギターを弾いていても不思議ないようなタイプの曲である。

残念ながら僕にはギタリストを判断できるような耳を持っていない。仮に持っていたとしてもあるアルバムには複数のギタリストが参加しているが各曲のクレジットがはっきりしないというのなら色々考えるのも楽しい。しかし僕の妄想では旧メンバーか、セッションマンか、Jade Warriorかのどれかなのでそれも難しい。どうしてそれを考えるかというとそうすると気が楽になるからだ。ただこのアルバムで聞かれるギターはカッティングも含めたリズム・ギターが中心でフレッド・コッカーの音色とは違うように感じるので彼が参加している可能性は低い。過渡期に披露された曲が『Zimbabwe』に収録されていないことを考えるとなおさらだ。ソングライターでもあるコッカーが自分の係わっていない曲に参加することはないだろう(あるとしたらJade Warrior関連の3曲かドゥドゥ・プクワナの曲、つまりインスト曲だ)。一方このアルバムのギターはトニー・デュヒグのプレイともあまり似ていないと思う。それでも中にそれまでのギターの音色と違うギターが前面に出てくる箇所がある。僕はそここそがデュヒグのプレイだと思うのだ。となるとメーンのギタリストはコッカーでもデュヒグでもないギタリストではないか、しかしこれは当事者が語ってくれないと解けない謎だ。とにかくアフロ・ロックとしてのAssagaiは自らの手で葬り去れたことになる。これ以上メンバー・チェンジして活動することも、Simbaのように白人と組むことも望まなかったのだ。

その3へ
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Assagai全2枚のアルバム再発に際してJade Warriorとの関係を考察し、妄想する。その1
2015 / 03 / 07 ( Sat )
Assagai
アサガイ全2枚のアルバム再発に際しジェイド・ウォリアーとの関係を考察し、妄想する(長いのでアルバム紹介を見たいなら青いところだけ読んでください)
その2 その3

Assagaiの全曲と関連曲が聞けます(Apple Musicでも同等のものが聞けるはず)


Assagaiのセカンド『Zimbabwe』が再発されたのに続き、ファーストの『Assagai』も再発された。Assagaiは南アフリカ出身のプレイヤがイギリスで組んだアフロ・ロック・グループと説明されるのがふつうだ。ドゥドゥ・プクワナ(a sax)、モンゲジ・フェザ(tp)、ルイス・モホロ(ds)はイギリス・ジャズ・シーンでも活躍したが、フェザは75年にプクワナは90年に亡くなっている。フェザはロバート・ワイアットとの仕事で知っている人もいるだろう。

一方Jade Warriorはジョン・フィールド(fl,per)、トニー・デュヒグ(g)、グリン・ハヴァード(b,vo)をコア・メンバーにしたグループ。ジャケットに象徴される東洋への憧れとアフリカ音楽の融合を目指したサウンドを志向するグループであり、初期はその融合に苦労する姿が混沌としていて好みを分けるが、後期はハヴァードが抜けたデュオとなり、静かな音を志向するようになってまとまりも出てくる。前身バンドはサイケデリックな名作を残しているJulyジュライ の スーパー・サイケデリック。Julyのヴォーカリストのトム・ニューマンがヴァージン・レコードのエンジニアをしていた縁でマイク・オールドフィールドの『Tubular Bells』にフィールドがフルートで参加している。

『Assagai』のCD解説を読んで2枚目『Zimbabwe』にもJade Warriorが係わっていることは知っていた。その解説によればバンドはNIRVANA U.K.で有名なパトリック・キャンベル・ライオンズを通じてヴァーティゴと契約したとある。ライオンズはJulyのさらに前のバンドでJade Warriorのメンバーと一緒に行動していたという旧知の仲であった。Jade Warrior公式サイトによるとAssagaiとJade Warriorは同じ事務所でAssagaiと契約するならJade Warriorとも契約するように要求したとある。結果として両グループのデビュー・アルバムとJade Warriorが参加したNirvana『Local Anaesthetic』は71年の同時期にリリースされている。

Assagai Assagai 6360 030
Nirvana Local Anaesthetic 6360 031LA
Jade Warrior Jade Warrior 6360 033

『Assagai』の参加メンバーはドゥドゥ・プクワナ、モンゲジ・フェザ、ルイス・モホロの3人にビゾ・ムングクィカナ(t sax)、フレッド・コッカー(g,vo)、チャールズ・オノノクボ(b)、このうちギタリストとベーシストがナイジェリア出身だ。では南アフリカ勢とナイジェリア勢のどちらに主導権があったのか?プクワナ作曲のインスト1曲と2曲のカヴァーを除く5曲がコッカーの曲である。だからといってナイジェリア勢に主導権があるとは言い切れない。バンド運営上のリーダーであっても歌メロを書けなければ、書けるメンバーに頼むしかないからだ。さてJade Warriorとの関係だが、コッカー作曲の中に1曲にトニー・デュヒグとの共作があるので、このアルバムだけを聞いていたときはナイジェリア勢と繋がりがあるのだと考えていた(後述するSimbaは知らなかった)。ところがナイジェリア勢が抜けた2枚目の『Zimbabwe』では新ヴォーカリストの曲が4曲、Jade Warrior関連曲が3曲、プクワナ作曲のインスト1曲となっている。Jade Warrior はどちらとも係わっていたということになる。

『Assagai』
先行シングルカットされたのは「Telephone Girl / I'll Wait For You」、Beatlesのカヴァー「Hey Jude」がシングルにならなかったのは謎だが、歌詞が英語ではないのが問題だったのもしれない。
(1) Telephone Girl
トーキング・ドラムのフレーズは使われているものの平凡な曲と言えるJade WarriorヴァージョンJWと比べるとAssagaiのアレンジ力を感じることができる。ワウなギターもポイントで、揺れを感じさせるのも原曲とは違うところ。もちろん管楽器隊の鳴りもよくファンキーなアレンジと呼んで差支えないと思う。KRS・ワンやジェイ・Z & カニエ・ウェストのサンプリング・ネタに使われるのも分かる
Blackalicious "Reanimation" 『Nia』(1999) LA
KRS-One "Rappaz R. N. Dainja"『KRS-One 』(1995) KRS
Jay Z and Kanye West"That's My Bitch"『Watch the Throne』(2011) C
Crusaders for Real Hip Hop "Off to Another House"『Deja Vu - It's '82』(1992)
http://www.whosampled.com/Assagai/Telephone-Girl/sampled/
(2) Akasa
サックスが引っ張るインスト曲、ギターもよく鳴る
(3) Hey Jude
アフリカでよく聞かれるラテンからの影響を受けた柔らかなギター・サウンドが体のコリをほぐしてくれるかのようなBeatlesカヴァー、原曲を解体し自分たちの持ち味で組み立て直すやり方。ヘイ・ジュード・コーラスは管楽器も前に出てAssagaiらしさがよく出ている
(4) Cocoa
引きの美学が光る
(5) Irin Ajolawa
フレッド・コッカーとトニー・デュヒグの共作曲。コーラスとループが全体のイメージを決めている。フロントの演奏とバックのリズムが合っているかずれているかよく分からないような瞬間があり、そこが呪術的なに感じられる不思議な曲。中間部の打楽器パートからサックスが絡み、フルートらしき音も聞ける
(6) Ayioe
パーカッションから始まり、ピアノが入り滑らかに進む、南アフリカとナイジェリアのいいとこどり度では一番
(7) Beka
ドゥドゥ・プクワナ作曲によるインスト曲
(8) I'll Wait For You
シングルのB面になった曲。これも穏やかなアレンジだが、中盤のの引きずるようなギターがいい

その2へ
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