2008年に『ブレックファスト・クラブ』を観る
2008 / 08 / 28 ( Thu )
ブレックファスト・クラブDVD
ブレックファスト・クラブ/THE BREAKFAST CLUB(1985)

内容を語る前にこのDVDの字幕について、字幕が二段で出ることが多いのだが、上段と下段のセリフが別の人のことが多く不自然に感じる。さほどセリフの量が多いとも思わないので気になった。

さて『Dare』脚本家があげた80年代青春映画の代表作と言われるこの映画だが、やや地味な印象を受けるのはキャストたちが今は元気がないからか。エミリオ・エステヴェス監督の『ボビー』はイマイチだったし、アンソニー・マイケル・ホールが『ダークナイト』のどこに出ていたかは気付かなかった。ちなみにモリー・リングウォルドは現在アメリカで放映中のドラマ『The Secret Life of the American Teenager』10代で妊娠した娘の母親を演じている。スチールを見るとデブってはいないが(そういうやり取りが映画にあるのだ)肉は付いている。それが20年と言う月日と言うものだ。

登場人物は休日登校し図書館で反省文を書かされることになった人気者女子(モリー・リングウォルド)、不良(ジャド・ネルソン)、スポーツマン(エミリオ・エステヴェス)、優等生男子(アンソニー・マイケル・ホール)、変わり者女子(アリ・シーディ)の5人。青春物では『理由なき反抗』のように3人というのが定番だ。2人加わることで幅は出るが、この駒を動かすのは大変なはず。そこは脚本家でもあるジョン・ヒューズ監督にとって挑戦しがいもあっただろう(奇数なので男女関係ではひとり余ることになる)。

オープニングではデヴィッド・ボウイの「チェンジス」の歌詞が引用され、落書きの中には銃乱射事件に関する歌であるブームタウン・ラッツの「I Don't Like Mondays」(邦題:哀愁のマンディ)のタイトルがある。音楽全体は大ヒットした主題歌のシンプル・マインズの「ドント・ユー」があるくらいだから80年代ど真ん中だが、思ったよりしょぼくない(『ストリート・オブ・ファイヤー』の劇中歌は悪い意味で80年代過ぎて、がっかりした)。

そのオープニングは学校での5人のことが分かるような画をさらりと見せ、さらに登校の様子で彼らの置かれた立場が分かるようになっている。登校時に親との会話がある3人はそれぞれのプレッシャーを親から受けている。不良だけは歩きで登校(単に近いだけだったりして)。初見で気付かなくても2回目以降なら、優等生の車のナンバーがECM2(E=MC2)だったり、用務員のカールが優秀な在校生だったりしたことが分かる。もちろん画だけで語られる5人それぞれの立場もよりよく理解できるだろう。

前半は不良が場を乱す展開が続いてやや飽きるが、昼食のシーンが面白い。スポーツマンの食事はいかにも体力をつけるためのそれ、そして優等生男子のは母親が一所懸命作った昼食という具合になっている。それに対して人気者女子はしょうゆを持ち込んでのスシ。ヘルシーーフードでおしゃれっぽいが、周りの反応を見るとこのころはまだ珍しかったようだ(日本でもしょうゆビンを持ち込む人はそんなにいないって!)。しかしなんと言ってもここではマンガ的な変わり者女子の食事に尽きる。パンにシリアル(?)と砂糖を大量にまぶして食べるとはやり過ぎだ。

さて物語は不良が自分のロッカーからマリファナを持ち出して回し飲みするあたりから動き出す。それまで各自が張っていたシールドが徐々に剥がれるように、自分自身のことを曝け出す様子がスリリングだ。スポーツマンと優等生男子は親からのプレッシャーを強く感じていることが分かる。エミリオ・エステヴェスは父親がマーティン・シーンだけにこの設定にうまくなじんでいる。また人気者女子の「人気者でいるのも辛いのよ」という高飛車な態度には怒りを感じるが、なぜか許せる。そしてポイントは学校に銃を持ち込んだ優等生男子となる。ここで"I Don't Like Mondays"の落書きの意味がはっきりとしたわけだ。もちろん彼が学校で乱射したわけではないが、銃を持ち込みたくなる不安というものはよく描けている。

当然この場では仲良くなった5人だが、「月曜日に会ったら、どうする」との問いにすぐに「何言ってんだ!友だちじゃないか」という展開にならなずにそれぞれの立場で物事を考えるのはリアルだ。惜しいのは変わり者女子をメイクでかわいく変身させる点、二組のカップルを作らなければいけないということなのだろうが、これは中途半端に感じられた。変身前も良いと思うのは少数派かも。

映画『Dare』詳細不明
23 : 30 : 30 | Dare | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
エミー・ファン!ブログ2008年8月の告知
2008 / 08 / 28 ( Thu )
エミー・ロッサムの情報

8/28 Blackberry Curve launch /LA WireImage 
8/28 ブログ更新、写真アップ
8/15 PiNKiTUDE and Susan G. Komen For The Cure Benefit /LA
8/15 PiNKiTUDE launch party /LA
8/14 ブログ更新。ニュー・アルバム、PiNKiTUDE、ザ・ポリスのコンサート
8/8 Piaget Hosts The Limelight Paris-New York Collection
8/7 ザ・ポリスのコンサート /NY
8/2 Alice & Olivia Hamptons Fashion Show /NY

記事
Emmy Rossum Packs a Pistol for New Role
http://www.people.com/people/article/0,,20216919,00.html
Emmy Rossum is Pinkitude Pretty
http://justjared.buzznet.com/2008/08/13/emmy-rossum-pinkitude-pink-panther/
00 : 00 : 56 | 告知・ニュース・日記・最新情報 | page top
『Dragonball』予告、全米で10月に登場
2008 / 08 / 27 ( Wed )
Dragonball Trailer Coming in October
http://www.comingsoon.net/news/movienews.php?id=48229
マーク・ウォールバーグ主演映画『Max Payne』で公開。この映画は現在日本の20世紀フォックスのラインナップには入っていないのでどうなるかは分かりません。
(10/31追記)結局『Max Payne』にはつきませんでした。『地球が静止する日/THE DAY THE EARTH STOOD STILL』だとされています。公開は全米が12/12、日本では12/19。

こんな日本語記事
http://cinematoday.jp/page/N0015015
後半でエクスキューズしていますが、あまりにも情報の出所が怪しくて記事にするほどではないと思います。確かにネガティブな情報は怪しいところから徐々に出てくることもありますけど……もう少し待てば記事にしないで済んだわけです。

エミー・ロッサム出演映画『Dragonball/ドラゴンボール』2009年3月13日日本公開、2009年4月全米公開
19 : 45 : 17 | 告知・ニュース・日記・最新情報 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
『イントゥ・ザ・ワイルド』を試写会で観賞
2008 / 08 / 25 ( Mon )
イントゥ・ザ・ワイルド/Into the Wild
2008/09/06公開 公式:http://intothewild.jp/
イントゥ・ザ・ワイルド
DVD 2009/02/27発売

「自分探しの旅」は好きですか?ワタシは大嫌いです。ストーリーを読む限り主人公はいかにもインテリ崩れの自然志向を思わせる(だめ押し的に監督がショーン・ペン)『イントゥ・ザ・ワイルド』ですが、これは見ごたえがあります。まずは主人公の両親にウィリアム・ハートとマーシャ・ゲイ・ハーデン、妹にジェナ・マローン、アウトサイダー・キャンプ(?)で出会う少女にクリステン・スチュワート(かわいい)。そして旅先で会う男にヴィンス・ヴォーン、ヒッピー女性にキャサリン・キーナー(さすがに何でもこなす人です)。そして旅先で一番心を開くことになる老人に、アカデミー賞にノミネートされたハル・ホルブルック(これぞザ・助演!)と、列挙するなんてバカみたいですが、映画ファンならこれがいかにはまっているか分かるでしょう。

主人公のクリス・マッカンドレスがアラスカに旅立った理由は基本的には両親への反抗ということになっています。そこはやや単純化されている気がします。家庭内暴力も出てきますが、むしろそれはほのめかす程度の方が効果的だったかもしれません。ウィリアム・ハートとマーシャ・ゲイ・ハーデンもやや損な役回りになっています。二人の外見も90年代とは思えない一昔前の夫婦という感じがします(もしかして古きよきアメリカのパロディ?)。

この映画にショーン・ペンが入れ込んでいるのはよく分かります。この彼の事件と原作本が出たのはペン監督が三十代に入ったころです。自分の二十代を振り返って一般人よりは恵まれた環境にいたとしても、やりたくても出来なかったことも色々と思い浮かべていたと思います。クリスのことを、ペン監督自身が出来ない(やりたかった)ことをやった男としてとらえているのでしょう。ここでのエミール・ハーシュはそんなペン監督の分身でもあります。ということで画面上では学業優秀な青年がワイルドになったと言うよりは、若手ハンサム俳優がワイルドになったように見えますが、体重を減らしたその姿は迫真の演技には違いありません。無免許川下りのシーンなどはワイルドな感じがよく撮れています。青年の成長物語として見ると無賃乗車した列車から追い出される辺りがいい出来です。キャンプで歌まで披露するクリステン・スチュワートは今ひとつにも感じますが(妹役のジェナ・マローンと入れ替えても面白かったかも)、そこが逆にリアルだとという見方も出来ます。他の俳優もいいキャスティングだと思うのですがヴィンス・ヴォーンだけが活躍しなくて少々残念でした。

この映画で一番興味深いのはハル・ホルブルック演じる老人とクリスのやりとりです。語られる内容は脚本家ショーン・ペンの当初の思わくを超えているのではとすら思えます(作家のペンが勝手に動くというやつです)。ここでのクリスは単なる逃避の旅以上のものを見いだしていると感じました。クリスがなぜアラスカを目指したのか?サイケデリック時代にヒッピーが西海岸に向かったのは温暖な気候やフロンティア伝説の名残もあったはずです。現代ではアラスカはアメリカにとって残されたフロンティアでもあるわけですが、気候のことを考えれば厳しさを求める彼にとってはふさわしいのでしょう。春にアラスカに入ったことから分かるように彼はここに死に来たのではなく一種の通過儀礼として選んだのだと思います。また彼がアラスカに向かった理由は登山家に「どうして山に登るのか」と聞くことに似ていいます。その答えは「そこに山があるから」や「下りるために」になるのでしょう。となるとクリスには帰るべき「家」があるべきなのです。自分とは縁もゆかりもない老人から養子の話を切り出されて新たな「家」が出来る可能性がある一方で、両親のごたごたをクリスと一緒に体験してきた妹(一部ナレーションも担当)は、兄とは同志なので両親のいる家に帰りたくなくても、彼女のいる「家」に帰りたいと思うのはありなのです。ペン監督はこの「家」の存在を認めたくないのか、どちらが「家」にふさわしいかはあいまいで、そこはこの映画の良い点でもあり弱点でもあると思います。

映像としてはグランドキャニオン、メキシコ近郊、砂漠、そしてアラスカと都会ではないアメリカの雄大な光景を見せてくれます。アラスカに入ってからは動物、植物そして川(!)と言った生物をクリスと対比させます。ヘラジカのエピソードは自然の厳しさとクリスのアラスカで暮らす人間としての力不足がよく出ています。そして最後は自分の即席の知識が彼を破滅へと導きます。ラストはショーン・ペンにしては音の使い方も含めてベタではと思うのですが、あれが効果的だったのは認めます。音楽担当はマイケル・ブルックとカーキ・キングですが、むしろ中心はエディ・ヴェダーの歌です。最後の曲には字幕が付くのですが、本編でも字幕が付いた方が分かりやすかったでしょう。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

22 : 50 : 46 | 試写会 | トラックバック(2) | コメント(0) | page top
サンバスンダ 渋谷O-EAST
2008 / 08 / 24 ( Sun )
サンバスンダ来日公演 http://www.conversation.co.jp/schedule/sambasunda/

サンバスンダに関してはこちらで触れたが、このところライブ情報には疎かったので直前までこの初来日のことを知らなかった。サンバスンダはインドネシア・スンダ地方のガムラン「ドゥグン」とアンクルン(竹)、カチャピ(琴)、スリン(竹笛)などを配したサウンドが特徴。大所帯ということもあり、来るなら夏のフェスティバルとは言わないとしても、複数のアーティストが出る形式のコンサートだと勝手に思っていた。そんなことを思っているうちに彼らはアジア音楽に疎いはずのヨーロッパでもコンサートやっているわけで、日本が一番遅れてしまった。

サンバスンダに関してはだいたいのアルバムを聞いてきた。チラシのサラーム海上氏はアルバム毎にやっていることが違うのでCDを聞いても本当の姿が見えてこないと書いていたが(ライブ映像を見て彼らのやりたいことが分かったとしている)、個人的には逆で彼らが優れている点は揺るぎない基本があるの上で、リーダであるイスメット・ルヒマットによってきちんとしたテーマのあるアルバム作りが出来る点だと思っている。中でもYadi Cahyadiのねちっこいヴァイオリンの音に引かれる。

最近はますます曲名を憶えなくなったので正確なことは言えないが『ラワナの涙』からは大半の曲はやったと思う。ステージは中央に打楽器が陣取り、両端に琴、ヴァイオリンと笛という配置なのだが、始まるとこの三つの楽器の音かなり打楽器に負けていた。こちらの脳内で補正をかけたのであまり気にならなかったとは言え、これはやや残念だった。何曲かで女性歌手(顔もスタイルもお美しい!)が出てきたときの歌も小さかった。これらの楽器を味わうのはもう少し少ない編成の方がいいということか。打楽器のみのときの音の締まり具合を聞きながらそう思ったりもした。参考映像

この日は前半分がパイプ椅子で後ろがカフェテーブルと立ち見となっていたが、パイプ椅子だとノリが悪くなるので立ち見の方がよかったかもしれない(最後にメンバー舞台から下りてダンスに誘うと言う場面もあったりした)。また2部には日本人演奏家が出てきたときに思ったのだが、日本人司会者がいても良かったのではないか、また日本向けという点では最後の方に日本の曲あるいは洋楽の有名曲のサンバスンダ・バージョンなどを用意しておくのも効果的だったはずだ。

なかなか楽しかったのでまた来てほしい。またマダガスカルのタリカ(Tarika)の「ソウル・マカッサル(Soul Makassar)」のようにメンバーがゲスト参加したアルバムも聞きたい(実は手元にあるCDには詳しいクレジットがないが参加しているのは間違いない)。最後に簡単なアルバム紹介。

『バンブー・ガムラン・ドゥグン』とりあえずは1枚目。『サルサ&サルセ』 文字通りサルサに挑戦の異色作にして充実作。『ソ・ラ・リ』サバ・ハバス・ムスタファ&ジュガラ・オールスターズ。サンバスンダの主要メンバーが参加しているサバ・ハバス・ムスタファ・インドネシア音楽挑戦アルバムの3枚目。何人かはサバ・ハバスのセカンド『Jalan Kopo』にも参加している。成熟度ではサードとは比べ物にならないが、これはこれで興味深いのでお勧めしたい。
  

テーマ:LIVE、イベント - ジャンル:音楽

22 : 30 : 16 | 音楽 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「エミー・ファン!ブログ」修正、Didoの新作について
2008 / 08 / 24 ( Sun )
「エミー・ファン!ブログ」修正
(1)カテゴリを入れ子に
告知・ニュースのほかに最新作情報を【Information】に

(2)Amazon商品一覧を追加
これは近日発売のものや、気になるもののを載せます。また近々書く記事の予告も兼ねています。

それからダイドの新作が年末に出ます。製作は実兄ロロとアメリカ人ジョン・ブライオン。公式サイトから新曲が無料ダウンロード可能です。1曲だけで判断は出来ませんがセカンドに近いと感じました。よく聞くとバッキングが面白いです。
http://www.didomusic.com
18 : 03 : 46 | 告知・ニュース・日記・最新情報 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
Emmy Rossumのセカンド・アルバムについてあれこれと妄想してみる
2008 / 08 / 23 ( Sat )
ジョシュ・グローバン-アウェイク
『アウェイク』ジョシュ・グローバン

エミー・ロッサムのセカンド・アルバムがアナウンスされました。ファーストが商業的に成功したとはいえないことを考えるとファーストとは方向性は逆になると思われます。すでに入ってきた情報からすると色々な人との共同作業になるようです。ファーストではグレン・バラード、デイヴ・スチュワート、モービーと等との共同作業は頑固に(?)断った彼女ですが、セカンドでは違うことになります。幸運な出会いを期待しましょう。

それでは詳細が分かる前に勝手に妄想というか、個人的な希望

(1)ジョシュ・グローバンとデュエット
現在アメリカのソロ・シンガーでは一番の人なので。出来たらそれこそラッキーでしょう。彼の最新アルバム『アウェイク』にはグレン・バラード・プロデュース曲があって、そこでベースを弾いているのが『Inside Out』にも参加していたSean Hurleyだと知るとつながりがないわけでもないと気付かされる。

(2)ブロードウェイorミュージカルorスタンダード集
その前に舞台に出演しろって話ですが、今すぐとは言わないがいつかは聞いてみたい。

エミー・ロッサム、セカンド・アルバムInterscope/Geffen/A&Mより発売予定
22 : 32 : 33 | 2NDアルバム『Sentimental Journey』 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
Emmy Rossumブログ更新、ニュー・アルバム、PiNKiTUDE、ザ・ポリスのコンサート
2008 / 08 / 15 ( Fri )
エミー・ロッサムブログ更新。
話題は3つほど
(1)ニュー・アルバム。新作のためにロンドン、コペンハーゲン、LAに行ったそうです。ファーストよりヴァラエティに富んだものになるではないでしょうか

(2)PiNKiTUDE。ここには詳しく書いていませんが、直後に配信されたニュースでわかりました。PiNKiTUDEのスポークス・パーソンに就任です。これはMGM とSusan G. Komen for the Cureによって立ち上げられたものです。後者は乳がん基金で、ここ最近の彼女の行動と合致します。すでに“Why Oh Why”という曲も用意済。

(3)ザ・ポリスのコンサート。再結成ツアーのファイナルで本物の警察官が共演してニュースになりましたが、そこにエミーもいたことになります。『オペラ座の怪人』のジェラルド・バトラーも一緒です(Myspaceの写真をどうぞ)。
00 : 00 : 00 | 告知・ニュース・日記・最新情報 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
『旅するジーンズと19歳の旅立ち』その6 感想
2008 / 08 / 10 ( Sun )
旅するジーンズと19歳の旅立ち/The Sisterhood of the Traveling Pants 2
2008/08/06公開 公式:http://www.jeans2-movie.jp
旅するジーンズと19歳の旅立ち 特別版
DVD 2009/02/11発売

以前にも指摘したようにこの映画に出演した4人(アンバー・タンブリン、アメリカ・フェラーラ、ブレイク・ライブリー、アレクシス・ブレーデル、以下イニシャルで略)の代表作は『Joan of Arcadia』『アグリー・ベティ』『Gossip Girl』『ギルモア・ガールズ』といったテレビ・ドラマなわけで、それも価値観で言えばエミー賞よりはティーン・チョイス・アワード。実際にここ3年でAB、AF、BLと連続で受賞し、ATもノミネート経験がある。とは言え一番出世したのは意外にも前作『旅するジーンズと16歳の夏』を見る限り4番手に見えたAFで、エミー賞他の主要な賞を受賞した。この続編製作が発表されたのはAFがゴールデン・グローブ等を受賞していたころで、彼女の出世がゴー・サインを出す切っ掛けになったことは容易に想像がつく。一方今作公開時に一気に注目を集めることになったBL、彼女の『Gossip Girl』出演が発表されたのは続編製作発表の約一ヵ月後、このドラマが話題になることを見込んでの見切り発車の面もあったのかもしれない。

前作の感想にも書いたが、このシリーズは基本的にレイプもいじめも出てこない清く正しい少女の物語なので、ぬるいと思う人もいるだろう。4人とも大学に進学できる家庭の子なのだ。それが悪いわけでもない、ちなみに今作では性についてはやや前作よりも踏み込んだ内容になっている。本作の原作となるのは『トラベリング・パンツ』シリーズの4作目『フォーエバー』なので、間の2作は基本的には省略されるが、ブリジットが祖母を訪れる話やカーメンの母の出産などは今作に入っている。また内気なリーナとは対称的にイケイケな妹のエフィは前作では登場しなかったが今作には出てくる。恋愛関係に関して言えばこの2年間を省略しているのでティビーとブライアンの付かず離れず関係はいいとして。リーナとコスタスの微妙な関係に、今作で初登場するレオが入り込んでくるのは、リーナの心の移り変わりが早いと感じなくもない(彼女のじっくり考えてから物事を決め、こうと決めたら頑固な姿は前作ではおじいちゃんをの説得、原作では美大進学のエピソードによく現れている)。

さて今作で一番注目していたのは、劇の裏方として夏休みの舞台に参加することになったカーメンが主役に抜擢され舞台を演じるというストーリーが『アグリー・ベティ』で成功したAF本人とダブることだったのだが、カーメンが役者として開眼する瞬間がはっきりと描かれなかったのは少し残念(一人を目立てさせない配慮があったのかもしれない)。また原作にあった彼女がルームメイトに言った捨て台詞は読んでいる分にはいいが映像にしたらきつすぎるだろうから省いて正解だった。そのルームメイトを演じたのは『P2』のレイチェル・ニコルズ。カーメンのことを自分より下に見ている笑顔が白々しいタイプの女性だが、それを嫌みなく演じていて好感が持てた。『Star Trek』『G.I. Joe: Rise of Cobra』というアクション系の作品が控えている彼女だがコメディももっと見てみたい(まあ『新 Mr.ダマー ハリーとロイド、コンビ結成!』なんてのもあるようですが)。

そしてブリジットに関するプロットは原作と比べてかなり変化があって、原作でトルコの発掘現場にいる教授は若い男性、今作ではショーレ・アグダシュルーが演じる女性教授となっている。原作では恋人がいるのにこの男性教授といい感じになる。それを引き戻すのは彼の家族の存在なのだが、映画では女性教授の家族の存在がブリジットに自分の家族のことを思い出させる切っ掛けになっている。ところでこの男女の入れ替えはどんな意味があるのかと考えてみると、この映画が女性映画であることを思い出す(監督からプロデューサー、音楽まで主要スタッフが女性)。この女性教授は戦争も経験していると言うことになっているので、演じているショーレ・アグダシュルー本人が革命によってイランを離れたことが反映されているのだろう。4人の中でブリジットだけに男を登場させなかったのは前作の彼女がそれにのめり込むようなタイプと誤解されたとの思いがあったのかもしれない。つまり彼女のパートだけ自殺してしまった母親にどう向かっていくかという前作の宿題をこなしている。自分の家族のことを考えるようになったブリジットはトルコから帰国してすぐに長い間会っていなかった祖母の家に転がり込む、これも原作では他の巻にあるエピソードで(と言うよりはその巻の重要な柱)、そこでは他人のふりをして祖母に会いに行ったが、映画では向こうがすぐに気付く。祖母を演じるのはブライス・ダナー、自殺してしまったブリジットの母親の母親らしく(?)やや神経質そうな女性をうまく演じている。母親の自殺に対して必要以上に責任を感じるブリジットの肩の荷を降ろしてやるのが祖母の役目だ。

4人の演技をまとめると、カーメンの変化をうまく捉えていないこともあって、やはり一番うまいのはABだと感じだ。セリフよりもちょっとした仕草で見せる演技が雄弁に語る。今作での微妙な三角関係などは一歩間違えれば、嫌な女に見えてしまうところをうまく処理したのは彼女ならではだ。ATは悩みを抱える姿が、よく似合う。BL自体の輝きは前作とさほど変わりない、その後、ふさわしい作品に恵まれるまでに時間がかかっただけなのだ。

映画としてみると前作よりややテンポが悪く感じられる。もちろんそれぞれが大学に通うようになって連絡は取りにくくなり、離れ離れでいることが当たり前の状況となったことも関係している。単純なことだが、駅や空港の描写や移動中の姿が少ないと、遠く距離の離れたところから苦労して会いに来たという感じがしない。ギリシャの青い海と白い町並みという風景も前作と同じで新鮮に感じなかった。

ストーリーにおけるジーンズの比重を小さくするのラストに向けて意味があることなので仕方ないし、全体としてはとくに悪いわけではないが、前作におけるベイリーやブリジットの母親のように感情移入しやすい話が今作にはないので求心力にはやや欠ける。前作のテーマが喪失と再生であるとしたら今作は再生と創造ではないだろうか。原作2、3作目から使われたいくつかのエピソードがそう感じさせる。まあもちろん最後は4人の友情に決まっているわけだが。
23 : 37 : 59 | 試写会 | トラックバック(1) | コメント(2) | page top
2008年に『ゴシップ』を観る
2008 / 08 / 08 ( Fri )
ゴシップ/GOSSIP (2000)

『理由なき反抗』のバリエーションのように感じたのが、深夜に放送されていたこの映画(カットされているだろうから細かい部分で間違いがあるかもしれない)。

allcinemaにあるが他の映画データベースではないことも多い2000年の映画。日本公開はされたようだがDVDは日本未発売。監督は後に『不都合な真実』を撮るデイヴィス・グッゲンハイム。主な出演者はジェームズ・マースデンにケイト・ハドソン、それぞれまだキャリアが浅い時期の映画。このころのマースデンは今の二枚目半とは違って、誠意のない笑顔は若いトム・クルーズのよう(逆に言えば今に至るまでトム・クルーズこのこの存在を受け継いだ俳優はいないと言うことだ)。ケイト・ハドソンはこの前にも数本の映画に出演しているがその当時の幼さが消え、これと同時期の『あの頃ペニー・レインと』で大人の顔になってそれ以降は今まであまり変化がない印象を受ける。

物語はメディア論を専攻する大学生3人が噂の広がり方を研究するために男子学生が女子学生がデート・レイプされたという噂を広め、それが広まるが、その男子学生が逮捕されうという意外な展開を見せることになる。この噂を流す側の中心人物がジェームズ・マースデン、被害者がケイト・ハドソン。実は二人は知り合いで、最後にもう一捻りがあるというもの。

大学生3人は男2人に女。イケメンと恋人、それにオタクがロフトに暮らしている。『理由なき反抗』視点で見ればオタクのイケメンに対する視線が怪しい。ラストのオタクの発砲にそれを見出そうとするがツイストが待っているのでその通りには行かない。同性愛は隠れテーマ止まり。
22 : 10 : 46 | Dare | トラックバック(1) | コメント(0) | page top
『旅するジーンズと19歳の旅立ち』その5
2008 / 08 / 06 ( Wed )
『旅するジーンズと19歳の旅立ち』

『旅するジーンズと19歳の旅立ち』本日公開ですが、渋谷のスケジュールを見ると夜の回がありません。あと一回でポイントが貯まるので109川崎まで遠征するという手もあるのですが、こちらも上映時間を注意しないといけません。

All Aboutのレビュー
『旅するジーンズと19歳の旅立ち』南 樹里
http://allabout.co.jp/entertainment/movie/closeup/CU20080805S/index.htm

AFPBB Newsから
米国の10代が選ぶ「2008ティーン・チョイス・アワード」、今年の受賞者リスト
http://www.afpbb.com/article/entertainment/news-entertainment/2500567/3184414

映画『旅するジーンズと19歳の旅立ち』の女優4人、MTVのTRLに登場
http://www.afpbb.com/article/entertainment/news-entertainment/2501791/3191575
23 : 59 : 59 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
『旅するジーンズと19歳の旅立ち』その4
2008 / 08 / 06 ( Wed )
AFPBB Newsから
「2008ティーン・ チョイス・アワード」全米ティーンに人気の芸能人らが登場
http://www.afpbb.com/category/entertainment/news-entertainment

ノミネートの段階から『Gossip Girl』勢と司会を務めるマイリー・サイラスとの年になることは予想がついた今年のTCA(あとはジョナス・ブラザーズ)。ブレイク・ ライヴリーはTV Actress DramaとTV Breakout Star Femaleで受賞。ちなみに昨年のBreakout Starは『アグリー・ベティ』のアメリカ・フェラーラ。彼女はゴールデン・グローブ、エミー賞、俳優組合賞など、主要なアワードで受賞しているのですが、このTCAだけはテレビのコメディ部門で『ハンナ・モンタナ』とバッティングして受賞できませんでした。この賞らしい結果です。
00 : 15 : 05 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
『アクロス・ザ・ユニバース』試写会
2008 / 08 / 03 ( Sun )
アクロス・ザ・ユニバース/Across the Universe
2008/08/09公開 公式:http://www.across-the-universe.jp/
アクロス・ザ・ユニバース デラックス・コレクターズ・エディション
DVD 2008/12/19発売

映画『フリーダ』や舞台『ライオンキング』のジュリー・テイモアによるビートルズ・ナンバーのみで構成されたミュージカル映画です。当然音楽雑誌にも色々な記事がありますが、ルーシーを演じるエヴァン・レイチェル・ウッドに関する記述があまりないのはどうしてでしょう。グリーン・デイの「ウェイク・ミー・アップ・ホウェン・セプテンバー・エンズ」(『アメリカン・イディオット』)での彼女の演技と、そこで彼女と共演しているジェイミー・ベルが主演した『リトル・ダンサー』を見ておくとこの映画のイントロとして楽しめます。この二人は付き合っていましたが、現在のエヴァン・レイチェル・ウッドの恋人はマリリン・マンソンです。付き合い始めてすぐに彼女を使ってポルノもどきのPVを撮ってひんしゅくを買っています。まるで現代版ジョン&ヨーコ、男女逆バージョンのよう!ジュードを演じるのは『ラスベガスをぶっつぶせ』のジム・スタージェスですが、この映画の先なのでまさに抜擢という感じです。

既成の曲を使ってミュージカルを作るという点では『ムーラン・ルージュ』などと同じですが、『ムーラン・ルージュ』がロマンス映画なのでラブ・ソングを使えばだいたい当てはまるのに対して、こちらは恋愛から社会問題までカバーしなくてはならず、ときには無理を感じる選曲も少々あります。オープニングでは同じ曲を使いながら英米の文化の違いを見せるのですが、どうもアメリカ側の作り物っぽくて入り込めませんでした。舞台のセットだと思えばいいのでしょうが、そういったことが所々では気になりました。あとは集団で踊りだすのも人によっては気になるかもしれません。

ジュードとルーシーの物語としては必ずしもうまく機能していないように感じ、むしろセディ(ジャニス・ジョプリンのような女性ボーカリスト)とジョジョ(ジミ・ヘンドリックスを思い起こさせるギタリスト)の物語の方が歌詞のはまり具合とあわせて良かったのですが、そんな二人の物語では誰も映画にしないと思います。幻想的な映像が出てくる場面は少なくないですが、ここはもう一つでした。映像と音楽のはまり具合では「アイ・ウォント・ユー」(やりすぎな感もあり)、予想とやや違った「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」、ジェフ・ベックのギターがやはり素晴らしい「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」が印象に残りました。ゲストではU2のボノが短い出番ながらも撮られることに慣れているようで、うまくこなしていました。『フリーダ』主演女優賞サルマ・ハエックはもう40過ぎなのにセクシー衣装で見せてくれます。

使われるのはビートルズの有名曲なので物語とシンクロしたときのインパクトは強く、本編ラストなど思ったよりもグッと来ました。監督のメッセージはラブ&ピースなのでしょう。しかしそれがあまり響いてこないのはその対極にある死に対する描き方が出来ていないからだと思います。それでもジム・スタージェスorエヴァン・レイチェル・ウッド主演の映画としてみるとよく出来ています。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

20 : 30 : 17 | 試写会 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top
| ホーム |