『トワイライト~初恋~』試写会
2009 / 03 / 31 ( Tue )
トワイライト~初恋~ /Twilight
トワイライト~初恋~ スタンダード・エディション [DVD]
DVD 2009/09/18発売
2009/04/04公開 公式:http://twilight.kadokawa-ent.jp/

少し恥ずかしい副題がつき、日本公式ページは必要以上にキラキラしている(この理由は映画を見れば分かります)この映画、ライトノベル(あるいはヤングアダルト)が原作だけに内容にあまり関心はなくて、興味はキャサリン・ハードウィック監督のほうにあります。彼女はこの映画にも出演しているニッキー・リードの体験を元にした『サーティーン』でデビュー以来少女少年の光と影を(とくに後者の部分を中心に)描いてきたからです。彼女にかかればマリア様も迷えるティーンエイジャーです!ちなみに過去3作で一番お勧めはバランスが取れている『ロード・オブ・ドックタウン』にしておきます。

さてストーリーはベラ・スワン(クリステン・スチュワート)は自分の良さに気付いていない地味目の女の子、霧と雨の町ワシントン州フォークスに引っ越します。そこで出合った同級生エドワード(ロバート・パティンソン)が気になり、彼には不思議な点が多く調べるとヴァンパイアだと分かり、同時に彼に惹かれることになります。ヴァンパイア物はしばしばその吸血行為が性行為のメタファーとなるわけですが、このヴァンパイアは人間の血を吸わないで動物の血で済ます自称ベジタリアンという設定です。キスすら吸血鬼の本能を呼び起こしかねないので、お預けの設定としては史上最強ではないでしょうか。その葛藤がこの映画の一番面白いところです。とは言え原作の続編では二人は結ばれ、子供もできるそうです。映画のほうも続編が予定されているのですが監督は『アバウト・ア・ボーイ』のクリス・ワイツに交代と聞いて残念に思いました。ちなみに3作目は『永遠のこどもたち』のJ・A・バヨナが噂されているようです。こちらは少し見たい気がします。

さて映画は予想通りに少女漫画的なセリフが満載で、付いていけない部分も多く、二人が互いに惹かれる過程はわりと薄味でした。まあどうせくっ付くと始めから分かっているので気にすることはないかもしれません。ハードウィック監督作品としては物足りませんが、逆に言えば女子の心理をよく描いているのではないでしょうか。個人的にはラスト近くのベラのピンチは気に入りました。そこに駆けつけるエドワードもいいのですが、身体をピクピクさせて「このままだと死ぬかも」「死にそうになれば吸血鬼になってエドワードと一緒になれるかも」という複雑な感情や緊張感を表現するクリステン・スチュワートが健闘しています。もちろん性行為のメタファーと見れば当然ここが一番意味深で、監督も気合が入ったのではないでしょうが。それと街に出かけた時の事件もなかなか良かったです。

クリステン・スチュワートはこれまで薄幸少女の役が多かったですが、これは自ら不幸の穴(?)に落ちてゆく様が面白いです。ロバート・パティンソンは写真で見ると美少年というほどでもと思いますが、さすがに映画ではうまく撮られています。あくまでも中心は二人で脇は弱いのですがそれでも、吸血鬼のアリスに同級生のジェシカを少し気になる存在にしたのは良いと思います。惜しいのはベラの幼なじみジェイコブ、調べると続編で重要な意味を持ってくるキャラクターなのですが、ここでの存在する意味はあまりないので、なにか原作にはない映画ならではの役割を与えた方が良かったと思いました。アクションはワイヤーが中心ですがやや安っぽい印象があります。吸血鬼と言ってもダークで真っ黒な世界観ではなく、曇り空に映る青白い炎のような色合いになっています。しかし、何百年(あるいは何千年)の秘密がググるだけで分かるなんて便利な世の中ですね。

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Emmy Rossum『Inside Out』、ジュノー賞プロデューサー部門受賞ならず+妄想企画
2009 / 03 / 30 ( Mon )
ジュノー賞プロデューサー部門の結果です。受賞はダニエル・ラノワでスチュアート・ブローリー/Stuart Brawley受賞できませんでした。
 ヒア・イズ・ホワット・イズ ダニエル・ラノワ
『ヒア・イズ・ホワット・イズ』ダニエル・ラノワ
これも渋い内容なんですけどね。

妄想企画:プロデューサー部門のアーティストたちとエミー・ロッサムとコラボレーションするとしたら?
・ニッケルバック:メロメロのロック・バラードを提供してもらう
・k・d・ラング:デュエットをする。クルト・ワイル・ナンバーがいい。
・デヴィッド・フォスター:ジョシュ・グローバンとミュージカル・ナンバーをデュエット
・ダニエル・ラノワ:The Great Divide をエミルー・ハリスとデュエットで再録音

オマケ:15th Annual Lint Roller Party Presented by Best Friends Animal Societyのエミルー・ハリスとエミー・ロッサム
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エミー・ファン!ブログ2009年3月の告知
2009 / 03 / 30 ( Mon )
エミー・ロッサムの情報
3/31 エージェントをICM (International Creative Management)に
3/30 『Inside Out』、ジュノー賞プロデューサー部門受賞ならず
3/29 Perez Hilton's 30th Birthday Party & Grand Quinceanera "Part 2"
3/27 ブログ更新。Q&A!
3/15 International Green Shield's Whatever/Whenever Benefit 2009
3/13 『DRAGONBALL EVOLUTION』日本公開
3/12 離日
3/11 『DRAGONBALL EVOLUTION』舞台挨拶 TOHOシネマズ 日劇
3/10 『DRAGONBALL EVOLUTION』ワールド・プレミア
3/9 来日
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2009年3月のエミー・ロッサム記事
2009 / 03 / 30 ( Mon )
3/8から3/14のエミー・ロッサム記事
実写版「ドラゴンボール」ブルマ役のセクシーなナマ足と胸元露出に日本のファン一撃!
http://cinematoday.jp/page/N0017208
実写版ドラゴンボール:孫悟空ジャスティンは「かめはめ波」封印 ワールドプレミア開催
http://mainichi.jp/enta/mantan/graph/game/20090310_2/
チョウ・ユンファ、早くも映画『ドラゴンボール』の続編を宣言?
http://news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=200903100006
「DRAGONBALL EVOLUTION」孫悟空とブルマの主演コンビに直撃インタビュー!
http://www.hollywood-ch.com/special/09031202.html
悟空とブルマが語る、「映画は別次元の新ドラゴンボール」説!
http://cinematoday.jp/page/N0017286
ジャスティン・チャットウィン&エミー・ロッサム インタビュー
http://eiga.com/movie/53221/special
「鳥山明氏の物語を語り継いでいきたい」 - 『DRAGONBALL EVOLUTION』の悟空&ブルマに聞く原作への思いとプレッシャー
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/03/13/DBevo/
インタビュー:実写版「ドラゴンボール」 悟空とブルマに聞く 「かめはめ波はクールだったよ!」
http://mainichi.jp/enta/mantan/graph/manga/20090313_2/
19 : 00 : 38 | 告知・ニュース・日記・最新情報 | page top
『DRAGONBALL EVOLUTION』考察はお休みして感想
2009 / 03 / 29 ( Sun )
基本的な感想を書いてなかった

しばらく塩漬けされていた『ドラゴンボール』実写化が再起動したと2007年11月に聞いたときには、スタッフを聞いて不安になったと言うかババを引く人がいるのだなあと傍観していた。それだけに12月に入ってきたエミー・ロッサム参加の報を聞いたときは驚いた。そしてチョウ・ユンファ参加と聞いて少しでもいい方向へ転んでくれと願った。当初1月撮影開始8月公開の予定だったが、さすがにこのスケジュールは無理があったのか、4月(3月)に延期された。ポストプロダクションのことを考えれば納得のいく延期だったろう。

そして出来上がったものは話がおかしいと言うよりは基本コンセプトがはっきりとしていなく、関係者のほとんどが『ドラゴンボール』映画化のコンセプト(というものがあるとして)を理解していないのだろう。スタッフを聞いて不安になった人を見返してやれと気持ちも起こさずに軽い気持ちで作ったとしか思えない。ドラゴンボールが簡単に見つかるのは一本の映画だから仕方ないとして、敵役のピッコロの位置付けがされていないので、話に奥行きが生まれない。悟空が高校生なのは構わないが性格設定に問題があり、チチとの関係も余計なものが多すぎる(ラブストーリーはおまけでいいのだ)。ヤムチャが武道家ではないので悟空の強さが分かりにくいという具合にキャラクターに問題がある。亀仙人は漫画のイメージとは違うが設定自体に無理はない。それでも漫画と違う個性は出せていないというか単なる笑顔の多いチョウ・ユンファだ。ブルマはキャラクターには問題がないが大企業社長の娘で天才科学者という感じはしない。

アクションと映像に関しては早すぎるカメラワークだったり、カメラに近すぎて何をなっているか分からないアクションだったりしないのは好感が持てる。しかし人の顔を殴る時に拳が顔にぬめり込むようなスローモーション映像が多用は新鮮さがない。最初の悟飯との修行や同級生との対決のアクションがつまらないのは見せ方がうまくないからだ。一番いいアクションがマイ対チチというのは寂しいではないか。ピッコロの残虐性も描いていないので悟空のピッコロに対する思いも伝わらない、やはり武道を学ぶ友人を出しておいて彼がピッコロに殺されるなどしないとそのあたりがうまく伝わらない。

先にノベライズを読んでから見て思ったことだが、この映画は説明すべきところを省いてやたら早く進めようとする癖がある。一番分かりやすいのがピッコロの作った生物を利用してドラゴンボールを取りにゆく場面だ。ナレーションや登場人物のセリフによる説明過多な映画というのも困るが、こういった映画もまた困る。また『ドラゴンボール』と言えば空中での殴りあいという印象があるが、これは『マトリックス レボリューションズ』で飽きるほど見せてくれた。これと比べると最後のピッコロとの対決は単純に劣るだけでなく、演出にためがなくあっさりしている。せめてピッコロに「まさか、お前にそこまでの力があるはずなどないはずだ!」等のセリフを言わせても良かったと思うくらいだ。かなり漫画的だがいいではないか。

全体的には『スター・ウォーズ』に『ハルク』(巨大化しても服が破けない)というアウトラインそれ自体は悪くないと思うが、肉付けが物足りない。アジア的価値観が地球を救うというのはこの映画の特徴としてほめてもいいが、日本人が悪なのは原作国の扱いとしてはどうしたものか。ピッコロを基準に色調を決めているのか色が灰色っぽいのは残念、メキシコの砂の色がそれに拍車をかけ物足りない。

エミー・ロッサムの映画としてはなにしろ衣装が一つのみで、それもすぐに汚れてしまうのが残念。本編よりポスターの方が格好いい。本格的アクションをやったのは良かったかもしれない。駄作にも出演してこそ一流女優への道だ。

エミー・ロッサム出演映画『DRAGONBALL EVOLUTION』2009年3月13日日本公開、2009年4月10日全米公開
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『レッドクリフ PartII ─未来への最終決戦─』試写会
2009 / 03 / 29 ( Sun )
レッドクリフ PartII ─未来への最終決戦─
Chi bi xia: Jue zhan tian xia/RED CLIFF: PART II/赤壁
レッドクリフ Part II -未来への最終決戦- スタンダード・エディション [DVD]
DVD 2009/08/05発売

2009/04/10公開 公式:http://redcliff.jp/

パート1を見たときは楽しめた一方で、ダメな点も多くパート2を見るまで評価は保留といった感想を書きました。同時期に見た『トッピック・サンダー』と比べると戦闘シーンが売りのはずの『レッドクリフ』は負けていました。時代の違いから来る派手さの問題もありますが、少なくても現時点での監督としての力量はベン・スティラーの方がジョン・ウーより上なのでしょう。このパート2を見るとパート1を見たときに感じた不安は見事にその通りになってしまいました。

後編というのは最初からフルスロットで飛ばさないといけません。『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』がいい例です。前作(『王の帰還の』場合はパート2『二つの塔』)からの課題(シェロブ等)を手早く処理しながら、新しい問題(パランティア等)も同時にこなしています。ところがジョン・ウーは新たにスパイ活動から話を始めてしまい、まったくテンポが出てきません。この調子なので次に疫病の話が出てきても緊迫感がなく白けてしまいます。これなら(映画としての出来はともかく)『20世紀少年』『デスノート』といった映画のパート2の方がパート2の正しい見せ方になっています。

なにしろ上映時間の半分くらいまで行かないと映画が動くけはいがまったくありません。緊張感があるパートうまく組み合わせれば緩いパートがあってもいいテンポが出せるはずですが、それすら出来ずにただひたすら引き伸ばすだけなのです。例えば『二つの塔』は3部作の真ん中なのでヘルムの戦いが始まるまでかなり引き伸ばしています。それでも別の二つのルートもあるので、飽きずに見ることができます。それに対して『レッドクリフ2』はヘルムの戦いに関することだけで3時間近く描いたような映画なので薄くなるのも当然です。

その間に劉備が撤退したり、孔明が秘策を披露したりしますが、メーンの二人はといえばトニー・レオンの何をやっても泣き顔、金城武は手をアゴにやって首をかしげるだけで熟慮中を表現するという演技を披露しているだけです。彼らの持ち味と言えば持ち味ですがやはり続けて見せられると単調で飽きます。女性キャラクターの場面は全部削っても構いくらいです。もうけたのは中村獅童でしょうか、火炎瓶(?)の準備するところは少し笑わせ、本戦も格好良かったです。

さて、後半になってやっと本戦が始まると映画は締まります。戦闘シーンはパート1とあまり変化はありませんが、痛みを感じる描写はこちらの方が多いと思います。パート2の目玉は火を使った攻撃です。少し派手過ぎる気がしますが、いい画にはなっています。

これを見終わって思うのは、これなら60分ころと120分ころに戦いを持ってきて3時間に収めることは可能でということです。それが出来ないのが今のジョン・ウーなのでしょう。ハリウッドでの居場所が無くなり、中国で作ってもこんなものしか出来ないのなら、日本で時代劇でも撮ると言うのはどうでしょう。

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Emmy Rossum出演映画『DRAGONBALL EVOLUTION』4月10日公開へ
2009 / 03 / 28 ( Sat )
『DRAGONBALL EVOLUTION』2009年4月8日から4月10日金曜日公開へ
大勢に影響はないと思います。


エミー・ロッサム出演映画『DRAGONBALL EVOLUTION/ドラゴンボール』2009年3月13日日本公開
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『ウォッチメン』を試写会で観賞(原作も買えました)
2009 / 03 / 25 ( Wed )
ウォッチメン/Watchmen
ウォッチメン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
DVD 2009/09/11発売

2009/03/28公開 公式:http://watchmen-movie.jp/

原作グラフィック・ノベルがアメリカン・コミック史上最高傑作にして問題作、映画化が持ち上がってから10年以上、ビジュアル化不可能といったうたい文句に続き、今さらという感じでアメリカ公開前に権利問題の裁判まで起こるなど話題が一人歩きしているような『ウォッチメン』です。その強烈なビジュアルの一方で俳優はギャラの安い人を使っているなどとも言われていますが、なじみの人が何人かいます。まずは『オペラ座の怪人』のラウルことパトリック・ウィルソンがバットマン風ヒーローのナイトオウル、ウィルソンとは『リトル・チルドレン』で共演してその演技でアカデミー賞にノミネートされたジャッキー・アール・ヘイリーが顔のない男ロールシャッハ。テレビドラマを中心に活躍し『P.S. アイラヴユー』でおいしい役を演じていたジェフリー・ディーン・モーガンが冒頭で殺されるコメディアンと言う具合です。実は本編を見る直前まで勘違いしていたのですがカーラ・グギーノが出演すると聞いて、てっきり彼女がヒロインを演じていると思っていました。なにせストリッパーも娼婦も脱がない『シン・シティ』で観察官の彼女だけが脱いでいたのでその印象が強かったのです。実際にそのヒロイン、2代目シルク・スペクターを演じているのはマリン・アッカーマンで、グギーノは彼女の母親で初代を演じています。グギーノは現役時代をレトロな雰囲気で、今を演じる時は老けメイクをしています。

そのまま映像化すると5、6時間かかりそうだと言われている原作(読みたくても売り切れ中でした)ですが、未読者の感想としては難しすぎるところや哲学的になりそうなところはいい感じで削られていると思いました。舞台となっているのはニクソンが憲法を改正してまだ大統領をやっている1985年という設定です。以前は活躍していたヒーローたちの様子はボブ・ディランの「時代は変わる」にのって繰り広げられるオープニングの映像で表現されます。そして現代の時点でヒーロー活動が禁止されています(『Mr.インクレディブル』へ影響あり?)。そんな中で高齢になったコメディアンが殺され、不審に思ったロールシャッハがヒーローの命を狙う勢力があるのではないかと疑うことから物語は始まります(こちらは『HEROES/ヒーローズ』シーズン2へ影響あり?)。ここは探偵モノのテイストで渋く始まります。

面白いと思ったのはロールシャッハのかつての相棒ナイトオウル(2代目)です。彼は今や中年で元気がなく、あちらの方もだめなのですが、ロールシャッハに触発されてヒーロー活動を再開すると、あちらの方も復活するという描写は『リトル・チルドレン』でパトリック・ウィルソンが演じたキャラクターがフットボール・チームに入って昔を取り戻すのとほとんど同じです。某有名曲がバックで流れるこのときのセックス・シーンはここ最近で一番笑えたシーンの一つです。

物語はやがて二人の人物によって収斂されてゆきます。一人はかつての科学実験により肉体を失いその後に復活したDR.マンハッタン。復活後は核兵器に匹敵する存在としてアメリカの軍事政策にも大きく係わっただけでなく、時間や時空を越えた存在、つまり神に近くなっています。もう一人は世界一の天才オジマンディアス、ヒーロー活動停止後に彼は企業家として成功を収めています。この二人の対決は原作よりもさらりとしたものになっているのではないかと思います。それでもこの二人の対決と下した結論はいわゆる大国のエゴそのもので、傲慢であるとも言えます。一方で彼らが覆い隠そうとする秘密に対してそれを公表すべきだと主張するロールシャッハは、他国の意向を無視して自らの正義を押し通そうとするアメリカそのものに見えてしまいます。この原作を映画化するに当たって、時代設定を変えなかったことは賛否両論があるでしょうが、ある意味では潔いと思います。85年という設定はニクソンの存在やBGMに使用される80年代のヒット曲を別にすればさほど気になりません。確かに今のアメリカに通じる場面はあると思うのですが、20年近い空白を埋める作業はしていません。時代設定はそのままでいいとして今に通じる要素を追加されていても良かったと思いました。イラクやアフガニスタンに象徴されるような親米勢力が反米に転じる仕組みや複雑な経済システムの問題点の萌芽をどこかに織り込んでいるともっと今に通じる空気を感じる映画になったと思います。冷戦に対する恐怖だけでは物足りないのは現代の基本になったものが、良くも悪くも80年代に生まれたものが多いと思うからです。

『300<スリーハンドレッド>』が嫌いな方も少なくないでしょうが、ザック・スナイダー監督が作るビジュアルは面白いです。『300』全編これ「決めポーズ」の連続と書いたのですが、あれと比べればこちらの方がストーリーはありますし、無意味な暴力描写は少なめです。それでもロールシャッハ関連の暴力描写は必然性があるにしても、場面によってはややきついです。今作のビジュアルを表現するとするとは重そうな物体が細かく動き、その軌跡もばっちり見えるという感じでしょうか、こちらの方が『300』より好ましいです。変な言い方ですが『ウォッチメン』の後に『300』が作られたら監督の個性が分かりやすくなったと思いました。と言ってもグロとエロも健在です。エロ場面は少ないですが長めです。

(追記)原作本が増刷されたので買ってきました。さすがに原作の方が各キャラクターの色付けがはっきりとしていています。コメディアンが政府べったりなのは映画でも分かりますが、ロールシャッハが右翼寄りでそれゆえに孤立しているのがよくわかりました。逆にオジマンディアスは自分のフィギュアまで売り出して金儲けしているあたりがリベラル・インテリらしくて笑えます。ロールシャッハとマスクの下のウォルター・コバックスとの関係というか、精神科医との話はもう少しじっくり描いても良かったと思います。DR.マンハッタンとオジマンディアスが対決する場面はさほど多くなく、哲学的な場面はほとんどDR.マンハッタンが担当していました。あとシルク・スペクターの重そうな髪の動きは映画ならでの良さだと思います。

エッセンシャル・レナード・コーエン
エッセンシャル・レナード・コーエン

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ここがヘンだよ『DRAGONBALL EVOLUTION』脚本。ピッコロ大魔王編:『DRAGONBALL EVOLUTION』考察その3
2009 / 03 / 24 ( Tue )
書きたいことは色々とあるが長すぎると困るので小分けで開始します。


ここがヘンだよ『DRAGONBALL EVOLUTION』脚本。ピッコロ大魔王編

脚本家組合ストライキ中に映画撮影が始まったこの『DRAGONBALL EVOLUTION』、ストライキ中でも大丈夫な理由は知らないが考えられそうなのは(1)以前からある古い脚本を使用(2)組合とは無関係の人物を雇うの二つ。(1)の場合には現場で変更はできないのかもしれない。

さてこの脚本というか設定のおかしい点を見てみよう。オープニングで2000年前のピッコロによる侵略とそれを防ごうとする老師たちとの攻防が描かれる(この2000年というのがまた中途半端で、ほとんどの人々が忘れ去る神話になるには新しすぎる)。ここは『ロード・オブ・ザ・リング』を参考にしたのだろうが、あれが古い歴史から現時点の指輪所有者まできれいにつながっていたのに対して、こちらは昔の話をしただけで今につながっていないのでドラゴンボールの存在意義が説明されずに終わってしまっている。

この映画で一番問題なのはピッコロの復活の過程が一切描かれないことである。本来ならオープニングはこちらを持ってきて地球の危機を表現し、2000年前の話は中盤に亀仙人がすれば十分なはずだ。復活の様子がないことで物語上におけるピッコロの位置付けがされないことになってしまっている。画面に初登場したピッコロは日本らしき土地を簡単に破壊し、ドラゴンボールを手に入れる(この場所は近代都市が近くに見えるのに破壊されたときには江戸時代の集落跡のようになるというのもヘンだ)。オープニングの説明ではまるでピッコロは司令官で現場担当はオオザルのようだが、復活したときのピッコロは湖を簡単に干上がらせるなど十分に強力で、オオザルも必要ないように見え、ドラゴンボールを欲しがる理由すら不明となっている。

ピッコロとオオザルの関係で言えば2000年封印されていたピッコロがどうして地球に来て約20年のオオザルの存在を知っているのは謎だ。好意的に解釈すればナメック星人とサイヤ人はテレパシーでやり取りができて、地球に来ることになるサイヤ人はすべて名前がカカロットなのだろう。だとしてもピッコロの復活とサイヤ人がオオザルになる時期が一致するのは偶然にしてはできすぎている、一体サイヤ人は何年ごとに地球に送られているのだろう?ではピッコロを復活されたのは誰かというとマイしかいない。田村英里子のインタビューによると彼女は異星人だそうだ。ナメック星人が地球で封印されていることを知っていて、英語も日本語も話すことができ、血を手に入れるとその人物に変身できる異星人、確かに部下としては有能だ。

まとめるとピッコロがドラゴンボールを欲しがる理由が、原作のように若さを取り戻すというのならまだ納得するのだが、地球への復讐という漠然としたものしか示されていないために物語の中心設定がなくなっている。文字通り地球を破壊したいなら話は別だ。ただしオオザルとの関係というのは映画ならではの設定で面白いかもしれない。



次回は、ここがヘンだよ『DRAGONBALL EVOLUTION』脚本。高校生悟空とチチorオリジナル・サウンドトラック:あゆはいないが界王さまはいる?のどちらかの予定

エミー・ロッサム出演映画『DRAGONBALL EVOLUTION/ドラゴンボール』2009年3月13日日本公開、2009年4月8日全米公開
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『Dare』関連作品。『欲望という名の電車』
2009 / 03 / 23 ( Mon )
欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット [DVD]
欲望という名の電車/A Streetcar Named Desire(1951)

『Dare』劇中でアレクサたちが演じている劇はテネシー・ウィリアムズの『欲望という名の電車』、エリア・カザンによって1951年に映画化され、男女主演助演の4人がアカデミー賞にノミネートされ、主演男優以外の3つを受賞している。しかし受賞を逃したマーロン・ブランドがまずエロい。(バージョンによっては)DVDのカバーに彼一人が出ているのも納得できる。そしてブランド演じるスタンリーの夫、ステラ(キム・ハンター)は地味だが、それがいい。主演女優は妹夫妻のニューオーリンズの家に入り込むブランチを演じるヴィヴィアン・リー。貧しい家庭にお世話になっても気位が高いままで上品そうな服を着込むブランチ、このオールドミスの見栄や嘘が徐々に暴かれ、彼女の精神状態が不安定になってゆく姿がよく描かれている。秀逸なのはブランチに好意を寄せていたスタンリーの友人ミッチ(カール・マルデン)の目の前で彼女の嘘がばれる場面、それまでは薄暗い明かりの元でしか会わなかった二人だが、明るい照明が老けたブランチの姿を映し出すところだ。ここでは白黒映画だというのも効果的だと思う。

近々ケイト・ブランシェットがブランチをやるそうだが、高校生がやるのは似合わない作品であり、アレクサの力不足なのは当然か。

エミー・ロッサム出演映画『Dare』詳細不明
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『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』を試写会で観賞
2009 / 03 / 21 ( Sat )
マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと/Marley&Me
2009/03/27公開 公式:http://movies.foxjapan.com/marley/
マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと (特別編) [DVD]
DVD 2009/10/02発売

原作のコラムストの名前がそのまま使われているこの映画ですが、最近のハリウッド映画では珍しく主役の男女がブロンドとなっています。これはオーウェン・ウィルソンとジェニファー・アニストンの私生活と重ね合わせて見ろという無言のメッセージとして受け取りました。ウィルソン演じるジョンは妻よりは記者として劣るのに、上司からこれからはコラムに専念しろと言われてもしばらくは記者に未練がある様子がウィルソンらしいと思うのですが、むしろマーリーの暴れる様子こそがウィルソンがこれまでの映画で披露してきたものに近いと感じました。一方ジェニファー・アニストン演じるジェニーは結婚してもすぐには子供を作らずに(だから犬を飼う)計画を重視するような女性です。ジョンと結婚する前に彼より格上の男性と交際していたのに別れたので、素早くジョンに切り替えたのかもしれません。第一子を流産し、育児ノイローゼになるなど少し同情をしてしまします。

さて、そんなグローガン家に駄犬マーリーがやってきます。「クリアランス・パピー」とは残酷な響きですが、このマーリーの酷さと暴れる様子は容赦がありません。なんでも食べるその様に夫婦に赤ん坊ができたときは襲われるのではないかと見ているこちらが心配したほどです。しつけ教室に行ってもすぐに追い出されますが、他の教室には行かないものなのかと思いました。ペットを飼ったことがないので分かりませんが、テレビで犬のしつけは定番なので、何度か見たことがあります。人間が主人ではなく自分が主人だと思ってしまった犬というのは放っておけば悪くなる一方と思っていたので、これを受け入れてしまうこの一家は面白いと思いました。

夫婦に子供が生まれ転職に引越し、これらをマーリーともに受け入れますが、記者としてではなくコラムニストとして生きることを決めたジョンは少し寂しそうですが、ビーチでマーリーの首輪を外して自由にさせてやる場面が印象的です。後半はマーリーのというよりこの一家の成長物語となっているわけですが、個人的には主演の二人にもこんな幸せな生活をさせてやりたいなと思いながら見ていました。常夏のフロリダと雪が降るフィラデルフィアの景色が対照的でいいなと思うと同時に、後者がマーリーの人生における冬が感じさせるのが少ししんみりしました。

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『DRAGONBALL EVOLUTION』字幕版で再見。『DRAGONBALL EVOLUTION』考察その2:英語の響き
2009 / 03 / 15 ( Sun )
プレミアは吹替えだったので今度は字幕で見ました。エミー・ロッサムのファンとしてはもちろん生声を聞かなければいけないわけですが、それ以上に英語で聞くと色々なことが見えてきます。日本では声優という職業が確立されていてプロの方々がきちんと仕事するので見えにくくなっていることもあるわけです。




『DRAGONBALL EVOLUTION』は日本漫画が原作だが、アメリカでアニメ放映されていたときには亀仙人がマスター・ロッシになっていたのとは、逆にかめはめ波がそのままなのは有名だ。「カメハメハはハワイの王様の名前だが「亀・嵌め・波」という日本語の響きをそのまま取り入れていてそこが変でいい。マフーバ、オオザルも同様だ。

さて悟空たちが住んでいるのは架空の町だろうが学校では英語、漢字、スペイン語の表示がある。ロケ地等を考えてアメリカ西海岸からメキシコと仮定してみよう。悟空と祖父の悟飯は町外れの一軒家に住んでいる。悟飯はアこの地に何年住んでいるかは知らないが英語の発音はきれいではない。住んでいる所といい周りからは変人扱いをされているだろう。そう考えると悟空の学校でのいじめられた理由も見えてくる(悟空の英語はまともなのだが)。これに対してチチの外見はアジア系だが町の中心部に住み人気者である。少なくてもアメリカに馴染んでいる世代である。ちなみにノベライズでは姓はマクロバーツとなっており、母親がアジア系という設定なのかもしれない。演じるジュン・パークの英語が下手というより演技が怪しいので、ヤムチャは外国から来た人間のようにも感じられる。また田村英里子(クレジットではEriko)には日本語と英語で片言程度しかセリフがなく、マイはいわゆるこの手の映画ではよくボスがお気に入りで近くに置いている謎の女の役割だと分かる。さらに亀仙人の英語は悟飯ほどではないにしてもアジア人としての英語ということになる。彼の役割は主人公のいる世界の外から新たな価値観を教えるというものである(もっとも悟空自体が元々異星人なのだが)。このような世界観では悟空がスーパーサイヤ人に変身する(金髪になる)と言うのはありえないわけだ。


『DRAGONBALL EVOLUTION』ワールドプレミア行ってきました:『DRAGONBALL EVOLUTION』分析その1 
ここがヘンだよ『DRAGONBALL EVOLUTION』脚本:『DRAGONBALL EVOLUTION』分析その3に続く予定

エミー・ロッサム出演映画『DRAGONBALL EVOLUTION/ドラゴンボール』2009年3月13日日本公開、2009年4月8日全米公開
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『DRAGONBALL EVOLUTION』ワールドプレミア行ってきました:『DRAGONBALL EVOLUTION』考察その1
2009 / 03 / 10 ( Tue )
ミニ情報なら最近はブログよりこちらhttp://twitter.com/emmyrossum

運良く当選したので見てきました。二階の端っこでしたけど。舞台挨拶はジューン・パーク、ジェイミー・チャン、田村英里子、チョウ・ユンファ、ジャスティン・チャットウィン、エミー・ロッサム、ジェームズ・マースターズ、関めぐみ、ジェームズ・ウォン監督の面々。

エミーは青いドレスでブルマモード。なにやヒレらしきものが付いています。他の女性陣ゆったりとした衣装を選んでいますが、やはりぴったりとしたドレスが似合います。ちなみに来日回数は『デイ・アフター・トゥモロー 』以降全作品(『オペラ座の怪人』『ポセイドン』『DRAGONBALL EVOLUTION』)で来日していて最新作が2回なので5回ですね。

今日は吹替えでしたし、また見に行って感想を書きたいと思いますが、今日は簡単な部分だけです。



すでにノベライズを読んでいたのであらすじは知っていた。高校生悟空の物語として始まる導入部はチチ=MJと『スパイダーマン』(要するに『1』)を思わせるが、展開部で『スター・ウォーズ』(いわゆる『エピソード4』あるいは『新たなる希望』)となる。つまり孫悟空=ルーク・スカイウォーカー、孫悟飯=オーウェンおじさん、ピッコロ大魔王=ダース・ベイダー(I'm your fatherもどきもある)。だからヤムチャ=ハン・ソロとなって力より乗り物担当、穴に落ちるのも必然なのだ。で、オチは『ハルク』(どちらかというと2008年版)となり、内面との戦いになる。そして最後はエンドレスのアメリカン・コミック・エンディング。

『ドラゴンボール』と言えば修行とバトル、亀仙人との修行は始めのうちは良かったが、最後が亀仙人絡みでないのは不満。バトルは亀仙人とは戦いというよりは修行の様。ピッコロの怪人との対決はあっさり。最後のピッコロとの対決は二段階。悟空たちとピッコロが遭遇してからの流れはもう少しじっくり描いても良かった。

エミー・ロサムは旅に出てるので衣装は一つのみ、前夜の自宅の場面の衣装がカッコイイ。亀仙人がブルマの身体に触れるのはほんの少し。

エミー・ロッサム出演映画『DRAGONBALL EVOLUTION/ドラゴンボール』2009年3月13日日本公開、2009年4月8日全米公開
22 : 30 : 18 | DRAGONBALL EVOLUTION | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
Emmy Rossum、『DRAGONBALL EVOLUTION』舞台挨拶等
2009 / 03 / 05 ( Thu )
『DRAGONBALL EVOLUTION』公開が近づいてまいりました。エミー・ロッサムもプロモーションで来日する予定です。今分かっているのは以下の通り。

2009年3月10日 ワールド・プレミア 日本武道館
2009年3月11日 舞台挨拶 TOHOシネマズ 日劇 18:15~の上映前

ゲスト予定:ジャスティン・チャットウィン、エミー・ロッサム、チョウ・ユンファ、田村英理子
チョウ・ユンファ、ジェイミー・チャン、ジューン・パーク

エミー・ロッサム出演映画『DRAGONBALL EVOLUTION/ドラゴンボール』2009年3月13日日本公開、2009年4月8日全米公開
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『Dare』関連作品。『プライド 栄光への絆』
2009 / 03 / 04 ( Wed )
プライド 栄光への絆 [DVD]
プライド 栄光への絆/Friday Night Lights(2004)

この原題『Friday Night Lights』という映画のスタッフやキャストでは直接『Dare』とは関係ない、ということは間接的に関係があるのだが、ややこしくなるので製作経過から追うことにする。原作はテキサス州オデッサにあるパーミアン高校アメリカン・フットボール部の1988年シーズンの活躍を描いたH.G.ビッシンガー(バズ・ビッシンガー)のノンフィクション。ピューリッツァ賞を貰ったことがあるビッシンガーは映画『ニュースの天才』の記事を書いた人物でもある。そして彼の従兄弟とであり俳優(『大いなる陰謀』)としても活躍するピーター・バーグ監督(『ハンコック』)が2004年に映画化した。

物語の舞台はテキサスのあまり栄えているようには見えない町、しかし毎週金曜日の夜に行われるフットボールの試合はスタジアムの大きさ、マスコミの対応、そして町の過度な期待等々、日本人の想像を超えた存在だ。映画はゲインズ・ヘッド・コーチ(ビリー・ボブ・ソーントン)と選手の様子を過剰なドラマを廃したドキュメンタリー・タッチで描く。町の人間たちは大量リードもかかわらず主力を温存しなかったためにけがをしてしまったとコーチを叩くが、これが容赦ない。この行為は甲子園の決勝でエラーして町を歩けないと言ったレベルではない。当然選手たちに対するプレッシャーも重荷になっている。元名選手の父親といい関係を築けないドン(それでいていい仕事に就いていない父親をカントリー歌手のティム・マッグロウが演じている)、病弱な母親がいるためにも近くの大学に進学したいと悩むマイク、そしてここでの活躍が大学やプロへと繫がると信じているブービー、彼はけがをしたのに大丈夫だと早く復帰したがる。

結局ブービーはけがが完治する前に出場できると言い張り、コーチもそれを黙認し試合に出すが再びけがをして再起不能になってしまう。ここで彼は「オレは、フットボール以外は何もないんだ」と泣く。ここで思い出すのが自分のその年のベスト10に入れておいた『コーチ・カーター』のカーターだ。こちらはバスケットボールのコーチだが、授業もきちんと受けさせ成績が悪いと練習をさせない。カーターがゲインズと同じ境遇に置かれても負傷中の選手を無理やり起用したりはしない。なぜなら彼は選手が大けがをしてしまえば大学進学が出来なくなることも、それによってその後の人生が最悪の展開になり、場合によっては犯罪者になり若くして死ぬ場合があることも知っているからだ。今客観的に考えればゲインズが悪いと言えるが、簡単に彼を否定できない。ブービーを無理やり出場させたのは本人やコーチだけの責任ではなくオデッサという町全体がしたことなのだ。ここに都会で犯罪や死を近くに感じる『コーチ・カーター』と地方都市の『プライド 栄光への絆』の違いがある。実際のブービーも双子の親となり元気で暮らしているそうだ。

この物語が2006年にテレビ・ドラマ化されZach Gilfordが出演している。彼の役柄は元補欠でレギュラーがけがで再起不能になったために出ることになった選手。『Dare』のキャスティングはこれを意識したものに違いない。『Friday Night Lights』のイメージを踏襲するか、まったく逆のどちらである。ドラマは日本未放送だが、サウンドトラックを紹介しておく。UKのバンドも含まれているが全体的にはジャンルに関係なく南部の人たちが多い。印象的なのはジャケットに写るチアリーダーの空虚な笑顔で、まさに青春の光と影という感じする。1曲目のダニエル・ジョンストン"Devil Town"のカバーはそんな雰囲気を醸し出してくれる曲だ。

オマケ:映画版で音楽を担当していたExplosions in the Skyの曲"First Breath After Coma"はエミー・ロッサムお気に入りの曲でもあります。
Friday Night Lights: Original Television Soundtrack
23 : 00 : 44 | Dare | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
エミー・ファン!ブログ的2008年映画ベスト10ほか
2009 / 03 / 02 ( Mon )
アカデミー賞も終わったのに2008年映画ベスト10も何もないわけですが、まあほとんどダブらないのでいいのです。
2008年映画ベスト10
http://emfanjp.fc2web.com/others/movie/top10b.html#08top

1. 4ヶ月、3週と2日
2. つぐない
3. ノーカントリー
4. アウェイ・フロム・ハー 君を想う
5. WALL・E/ウォーリー
6. アイアンマン
7. トロピック・サンダー/史上最低の作戦
8. ミラクル7号
9. 寝取られ男のラブ♂バカンス
10. JUNO ジュノ
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次点
『カンフーパンダ』主人公の姿からは分かりにくいがドリームワークス・アニメが声優の個性に頼ったキャラクター創造をやめた作品として転機になるはず。一番カワイイのがタイランの子供時代と言うのは反則気味。またタイランの脱獄シーンは「そんな、アホな!」と思いつつ格好いい。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』ポール・トーマス・アンダーソン監督の俳優をがんじがらめにするような演出は好みではないのでこの順位だが、一見怪演に見えるダニエル・デイ=ルイスも監督の掌の上で踊らされているだけなような感じを傍から見ているようで面白い。大げさな音楽はマイナス。

レコード会社がGeffenからInterscopeに統合されて、映像関連がリンク切れになっているので修正。
http://emfanjp.fc2web.com/others/insideout/index.html
23 : 00 : 27 | 告知・ニュース・日記・最新情報 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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