『とらわれて夏』試写会。『ラッシュ/プライドと友情』とくらべると監督の資質との相性悪し
2014 / 04 / 27 ( Sun )
とらわれて夏 / LABOR DAY
2014/05/01公開 公式HP:http://www.torawarete.jp/
とらわれて夏
BD発売日:2014/09/10

ジェイソン・ライトマン監督といえばシニカルなコメディ、という先入観を持っていた僕のような人間からするとあまりにメロドラマな予告を見てびっくりしたのですが、なにかしかけがあるに違いないと思いながら見始めました。

ストーリーは「一夏もの」、少年のもとにおじさん(変わった人か、アウトロー)がやってきて人生を大きく変えてゆくというお話です。この映画では離婚後に不安定な状態が続く母アデル(ケイト・ウィンスレット)と暮らす少年ヘンリー(ガトリン・グリフィス)のもとに脱獄犯フランク(ジョシュ・ブローリン)がやってくる数日間の出来事です。

緊張感を煽る場面でもないのにノイジーな音が聞こえきて"これは狙いか"と思っているうちに母親とフランクの間は親しくなってゆきます。そこの描写があまりにスムースに行くので、"少年の妄想?"と思い始めました。そう考えると直接的な恋愛描写はないのにも納得できます。予告にあったピーチパイ作りにエロスを感じ取る人も多いでしょうが、むしろあれが頂点です。だいたい二人が近づく描写が都合良すぎます。フランクがアデルを椅子に縛る理由として、彼はあくまでも侵入者であって、この親子が協力したのではないというアリバイ作りのためだとあるのですが、どうも回りくどくなっています。もちろんアデルはスーパーに行くのも月に一度というくらいに人付き合いをしなくなっていて、その隙間にフランクが入り込める隙間はあるという設定はあります。

ヘンリーの妄想と考えたのは、この少年は性の目覚めを迎えるころだというのが理由のひとつです。彼がそうした話を父親(離婚後も定期的に会っています)とするところもあるので、アデルとフランクとの関係をヘンリーの妄想と考えると描写の緩さも納得できると思うのです。現実か妄想のどちらかに取れるように作られていると考えたのです。しかし最後にナレーターの成人のヘンリー(トビー・マグワイア)が出てくる最後のパートの内容を見てそうではないと気付かされました。

これがトッド・ヘインズ監督の『エデンより彼方に』のように過去作にオマージュをすることで、過去の遺産に敬意を払うと同時に現在との違いを浮かび上がらせるというような意図があるようにも思えません。80年代設定もLPがかかるくらいです。終わりゆく夏の光をうまくとらえた撮影(ジェイソン・ライトマン作品の常連、エリック・スティールバーグ)は素晴らしいです。

主演はケイト・ウィンスレットとジョシュ・ブローリンです。よろめき主婦はウィンスレットの得意技なので意外性はありませんが、離婚後なにかが欠けている人間をうまくこなしています。ブローリンは強面なので脱獄犯が似合いますが、ここでは料理が得意という意外性が加わっています。それ以外では子役の抑えた演技もいいですが、若き日のフランクを演じたトム・リピンスキーがブローリンに似ていて見ものです。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

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