『エクソダス:神と王』試写会。海割れよりは兄弟間の葛藤が見もの
2015 / 01 / 24 ( Sat )
エクソダス:神と王 / EXODUS: GODS AND KINGS
2015/01/30公開 公式HP:http://www.foxmovies-jp.com/exodus/
エクソダス:神と王 2枚組ブルーレイ&DVD(初回生産限定) [Blu-ray]
DVD発売日: 2015/06/03

どうしても海割りを見ると『十戒』を思い出してしまうわけですが、『出エジプト記』を題材にしているとはいえ、この映画はモーゼ(ジョエル・エドガートン)とラムセス(クリスチャン・ベール)個人に焦点を置いた内容になっています。初めは「リドリー・スコットがどうして今になって、聖書を題材した映画を?」と思いながら見始めましたが、ふと気づくと王家の人間ラムセスと養子として育てられたモーゼの関係がまるで『マイティ・ソー』のソーとロキのように感じられました。「これは面白いかも!」だからと言ってこれが現代的なアプローチだと言うつもりはありません。カインとアベルをはじめとして兄弟を題材にした物語は無限にあります。それは兄弟が初めて出会う友人であり、ライバルであるからです。そしてときには殺人や戦争にまで発展しかねないやっかいな存在と言えるでしょう。最後のクレジットを見てそうしたことをまた考えました。

監督が見せたいと思う派手な戦闘シーンはとうぜん終盤なのでしょうが、そこはシチュエーションがやっかいなためにCGに頼る部分が多いと思われるので、個人的に押したいのは序盤のヒッタイトとの戦いです。『ロビン・フッド』終盤の戦闘シーンが気に入った人にはあれと同じように楽しめると思います。

本作では数々の奇跡や禍の描写は、最近流行りの「リアル化」に便乗した形でなるべく科学的に説明できるような形となっています。一部それが不可能な箇所もあり、海が割れるシーンなどは『十戒』並みの画を期待すると裏切られます。それでもエジプトがカエル、アブ、雹、イナゴと続けて襲われる一連のシークエンスは単純に楽しめました

個人としてはとうぜんモーゼとラムセスに注目が集まります。正直に言うとクリスチャン・ベールの演技としては自分の存在に悩む前半のほうが面白く、ヘブライ人を率いる姿は立派であるものの、その姿がどこか自信なさげに感じます。そのほうが現代的なのかもしれません。対するジョエル・エドガートンといえばこれまで『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 』のオーウェンおじさんや『キンキーブーツ』の二代目社長など優男のイメージ強かったのでスキンヘッド姿に驚きましたが、この前に日本未公開の総合格闘技映画『Warrior』があり、ここでマッチョに変身したようで、そのイメージを踏襲したものと思われます。しかも戦う相手は兄弟のトム・ハーディー(『ダークナイト ライジング』)というわけでクリスチャン・ベールと縁があります。『Warrior』ではニック・ノルティがアカデミー賞にノミネートされていたのですが、兄弟の父親役を演じていたということです。ということは父権が重要な要素になっているのではないかと想像します。未見の映画のことを考えなくても、『グラディエーター』のマルクス・アウレリウス(リチャード・ハリス)とコモデゥス(ホアキン・フェニックス)の関係を思い出します。本作では話をややこしくしないためか父権よりは兄弟関係のほうが強調されています。この二人がともに神を口実にして政治を行おうとする姿は皮肉に写りました。このほかの人間(とくにヘブライ人)の描写が弱いのはこの映画の弱点です。ベン・キングズレーは最近の彼によくあるパターンですし、シガニー・ウィーバーはいるだけ、中ではイスラエル人女優ヒアム・アッバスがわりと印象に残りました。

『プロメテウス』『悪の法則』(これはやはりトニー・スコット向きの題材だと思います)とイマイチな映画が続いていただけにリドリー・スコット少し上向きとの印象を持ちました。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

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