Assagai全2枚のアルバム再発に際してJade Warriorとの関係を考察し、妄想する。その2
2015 / 03 / 07 ( Sat )
アサガイ全2枚のアルバム再発に際しジェイド・ウォリアーとの関係を考察し、妄想する。その2

その1 その3

2枚目の『Zimbabwe』のCDブックレットにについているのは71年2月のメロディー・メーカーの記事なので、ここに書いてあるミュージシャン名はアルバムのものではない。やはり一番信用できそうなのはオリジナルLPの裏面だが、その前に1枚目と2枚目の間にあったことを整理したい。1枚目のCD解説によるとSound Of The Seventiesというラジオ番組ラジオ番組に出演して「Telephone Girl」「Cocoa」「Beka」「Monday One」を演奏したとある。このときは1枚目のメンバーに加えてガーナ人女性テリー・クワイエ(conga)、フレッド・フレデリック(t sax)が参加した。さらにこのメンバーによる演奏が収録されているオムニバス・アルバムに『Afro Rock Festival』というのがあり、そこには「Kondo」「Jabula」が収録されている。

このオムニバスには有名なほうのアフロ・ロック・バンドであるOsibisaも収録されているが、もっと注目すべきなのがSimbaだ。これはJade Warriorの3人とAssagaiの管楽器隊が組んだユニット?であり、シングルである「Louie Louie / Movin'」を収録したものである。幸いにも動画サイトで聞くことができた。A面は言わずと知れたロックンロール・クラシック、Assagaiほど重厚感はないが見事なアフロ・ロック・アレンジになっている。問題なのがB面の「Movin'」だ。軽快なギターに始まるが曲が進むにしたがってSpencer Davis Groupの「I'm a Man」に似ていると気付く、作曲者はJade Warriorの3人となっていて、いわゆるパクリである。「I'm a Man」は元々パーカッシブなアレンジが施された曲なのでカヴァーとしてもこれまた見事なアフロ・ロック・アレンジにはなっている。彼らはどうしてこんなことをしたのか、ここで思い出すのは「I'm a Man」のプロデューサーがジミー・ミラーであることだ。彼はSpencer Davis GroupからTrafficさらにはRolling Stonesをプロデュースした。その中で彼はRolling Stonesの「Sympathy for the Devil」ではガーナ出身のロッキー・ディジョーンを起用し、元Creamのジンジャー・ベイカーがアフロ・ジャズに挑戦したAir Forceのプロデュースも担当した。このことからわかるように彼はブリティッシュ・ロックのアフリカ化、リズムの面白さを追求した人である。それではSimbaがなにを考えてこれを録音したのか、単なるB面曲だから、アフリカ的なものなら俺たちのほうがうまいとアピール、じつはSpencer Davis Groupのほうがパクったと色々考えてみると面白い。Simbaのメッセージがジミー・ミラーに届いたかは不明だが、あの曲を歌ったスティーヴ・ウィンウッドには届いたようで、Jade Warriorウィンウッドを介してアイランド・レコードと契約し、75年の『Waves』WAVESでは彼がゲスト参加した。(Simbaの「Movin'」はTOKYO NO.1 SOUL SET「状態のハイウェイ」のサンプリング・ネタTN1
http://www.discogs.com/Various-Afro-Rock-Festival/release/721298

再びJade Warriorのカヴァーが収録されたAssagaiの2枚目『Zimbabwe』はフィリップスから (6308 079)としてリリースされた、じつはヴァーティゴでのリリース予定がありレコード番号は(6360 058)だった。Jade Warriorの『Released』は(6360 062)なのでカヴァー曲とオリジナルが同時期に(場合によってはAssagaiのほうが早く)発表されたことになる。どうして移籍したのか?Jade Warriorでさえ3枚のアルバムを出せたのだから商業的理由とも考えにくい。やはりグループが分裂/解散状態にあったのだろう。実験的なレーベルのヴァーティゴからフィリップスへの移籍というのもよく分からないが、Jade Warriorにヴァーティゴから出せなかったアルバムがあることを考えればお蔵入りにならなくてよかったと思いたい。またこのアルバムはほかの会社から『Afrorock』(Sounds Superb SPR 9005)のタイトルで再発されている。

ジャケット裏にある名前は1枚目からのドゥドゥ・プクワナ(a sax)、モンゲジ・フェザ(tp)、ルイス・モホロ(ds)、ビゾ・ムングクィカナ(t sax)、過渡期のメンバーからテリー・クワイエ(conga)、フレッド・フレデリック(t sax)、そして新たにマーサ・ムデンゲ(voacal)、スマイリー・デ・ジョンネ(Conga,per)となっている。これに加えてJade Warriorが手伝ったとある(原文:Thanks to fellow Vertigo artists Jade Warrior for strumming, picking, banging and blowing along, not to mention writing and arranging a few steamers)。これを読んだほとんどの人がギターとベースはトニー・デュヒグとグリン・ハヴァードによるものだと判断するなら僕の妄想など必要ない。それと同時にこの二人があまり参加していないと考えることは彼らにはAssagai並の演奏は難しいというバカにした意見でもある(とはいえSimbaのプレイは悪くない)。ただ全面的に参加しているならもう少し別の書き方があると思う。Jade Warrior公式サイトの書き方もはっきりしない。それにクレジットにない人が演奏している場合もある。たとえば新ヴォーカリストのマーサ・ムデンゲ作曲の曲では歌っている本人がギターを弾いていても不思議ないようなタイプの曲である。

残念ながら僕にはギタリストを判断できるような耳を持っていない。仮に持っていたとしてもあるアルバムには複数のギタリストが参加しているが各曲のクレジットがはっきりしないというのなら色々考えるのも楽しい。しかし僕の妄想では旧メンバーか、セッションマンか、Jade Warriorかのどれかなのでそれも難しい。どうしてそれを考えるかというとそうすると気が楽になるからだ。ただこのアルバムで聞かれるギターはカッティングも含めたリズム・ギターが中心でフレッド・コッカーの音色とは違うように感じるので彼が参加している可能性は低い。過渡期に披露された曲が『Zimbabwe』に収録されていないことを考えるとなおさらだ。ソングライターでもあるコッカーが自分の係わっていない曲に参加することはないだろう(あるとしたらJade Warrior関連の3曲かドゥドゥ・プクワナの曲、つまりインスト曲だ)。一方このアルバムのギターはトニー・デュヒグのプレイともあまり似ていないと思う。それでも中にそれまでのギターの音色と違うギターが前面に出てくる箇所がある。僕はそここそがデュヒグのプレイだと思うのだ。となるとメーンのギタリストはコッカーでもデュヒグでもないギタリストではないか、しかしこれは当事者が語ってくれないと解けない謎だ。とにかくアフロ・ロックとしてのAssagaiは自らの手で葬り去れたことになる。これ以上メンバー・チェンジして活動することも、Simbaのように白人と組むことも望まなかったのだ。

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