『ポセイドン』試写会
2006 / 05 / 18 ( Thu )
前置き(ここは映画を観る前に書いていますので興味のない方は飛ばしてください)

昨今、邦画・洋画に限らずリメイク、続編ブームだが個人的には広い意味での原作付きの映画と解釈しているので気にしない。ただ気になるのは人物設定についてである。ティム・バートンは『チャーリーとチョコレート工場(2005)』(『夢のチョコレート工場(1971)』)の主人公は色々考えてみたがやはり白人少年になったと言っている。それでもチョコは黒人のお店で買っている。近年、一番がっかりしたメイクと言えば『ソラリス(2000)』(『惑星ソラリス(1972)』)。映画の細部は忘れてもこの映画のキャラクターの改変にがっかりしたことはよく覚えている。元の映画をアメリカに持ってくるだけで違和感が出るのは分かっていたことだが実際に観ると予想以上だった。

さて今回の『ポセイドン(2006)』(『ポセイドン・アドベンチャー(1972)』)は主要メンバーは白人だが船長が黒人、船上で歌うのはヒップホップ・ユニットBlack Eyed Peas のFergie となっている。これが政治的に正しいレベルかどうかは分からないが、想定の範囲内。

このリメイク製作の話を聞いたときに、72年度版を知っている人はあのスコット牧師を誰が演るのだろうと思ったはず。ところが出てきたのは元NY市長、ギャンブラー、自殺志願の男。結末を読まれないためにキャラクターを総入れ替えするのはいいとしてこの映画には強いヒーローはいないのか?と思ってしまう。

しかしその前に『ポセイドン・アドベンチャー』にもポール・ギャリコの原作から若干の変更点がある。原作のスコットは変わった牧師であっても大学フットボールの有名選手であり基本的にはヒーローである。彼の変わった説教も強い自信の表れのなのだ。だからこそ叩き上げロゴ刑事のアンチ・ヒーローぶりと対比されることになる。

これが映画になるとスコット牧師もややアンチ・ヒーロー寄りになっている。なんと言ってもスコット牧師を演じるのがジーン・ハックマンなのだから。1枚物のDVDに短いメイキングにFOX がニュー・シネマに対抗してオールスター・キャスト映画を造ったと語っているがどこか前の時代の雰囲気が残っている。あの有名なラスト・シーンがそう思わせるのである。
ここから感想
まずは不満から。実際に観てみるとキャラクターの描きこみはやはり物足りない。カート・ラッセルが元有名市長のというのはいいとして、ジョシュ・ルーカスがギャンブラーというだけでは市長との対立軸も生まれない。ここは市長を元刑事にしてギャンブラーもお世話になったことがあるとでもした方が
旧作との対比もできたし、面白かったに違いない。ボール・ルームから逃げ出す理由付けも単なるわがままに見えてしまい。船長との会話も「それはどうなの?」と思ってしまった。一人目の犠牲者の死に方もやや唐突。年寄りは終始元気だし足を怪我しても全体の流れに大した影響を与えないのも気になる。

しかし、それを越えてしまえばノンストップ・パニック・ムービー。アクシデントも水の量も海猿比500%で迫ってくる。そう、今回のポイントは水。全編に渡って濡れていて、汚れている暇がないくらいだ。
その極め付けなのがサントラ9曲目の曲名でもあるDrowning。そして炎に電気、そして閉所。

船内の映像はセット、ポセイドン号の外観はCGというのが基本で、このCGポセイドン号、オープニングでは実に素晴らしい。でも、ラスト前のCGには不満あり。

最後にエミー・ロッサム演じるジェニファー・ラムジーについて、父親と恋人との間で揺れるというのは『オペラ座の怪人』のクリスティーヌと似ていないこともない。その結末は彼女が選択したものと言うよりはあの結果しかなかった。見終わってから振り返ってみると父親が昔話をする場面は中々良いではないか。修正版はこちら

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コメント
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オリジナルは何度もTVで見たはずなのに、
もうすっかり忘れていました。

見ているときではなく後からの感想ですが、
人物設定を全く変えてしまったのだから、
人数まで同じにしなくてもよかったのに、
と思っちゃいました。

あの、コンコンコンと言う音は、
オリジナルを知っている人に、
「まだまだだよ」と思わせる手口だったのでしょうか。

観客へのお説教がなく、エンターテイメントに徹して、
短い時間に纏め上げたのはなかなかでした。

>ラスト前のCGには不満あり。
はどの部分ですか。
参考までに教えてください。
by: KGR * 2006/05/22 13:36 * URL [ 編集 ] | page top
--CGの不満箇所--

コメントありがとうございます。
CGの不満箇所については公開前と言うこともあり
ここで具体的には指摘しません。
HPにネタバレ感想を書いておきましたので、
左上のHPリンクからポセイドン・コーナーへどうぞ。
by: JK * 2006/05/22 21:41 * URL [ 編集 ] | page top
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