Glen Ballard Works Vol.12『Jagged Little Pill』『Everyday』
2007 / 05 / 31 ( Thu )
グレン・バラードのお仕事第12回

エミー・ロッサム、デビュー・アルバムの音が一部視聴可となり、その一方でグレン・バラードのアルバムへのどの程度係わっている割合が当初の予想より低い可能性が出てきた。今回のアラニス・モリセットとデイヴ・マシューズ・バンドでこのシリーズは一旦終了して、あとはオマケと言う形にする。
これで公式HPの映像に出てくる曲で紹介していないのは次の2曲

Anastacia/Boom (2002 Fifa World Cup Official Song)
Gavin Rossdale/Adrenaline「 XXX Original Soundtrack」

ちなみにグレンの2006年の仕事してはJosh Groban,P.O.D.,The Goo Goo Dolls等がある。

この二組に共通するのはグレンがプロデューサーとしてだけでなくキーボード・プレイヤーや曲の共作者としてクレジットされていること、そしてもちろん全米1位のヒット・アルバムであることである。

ジャグド・リトル・ピル_アラニス・モリセット
『ジャグド・リトル・ピル/アラニス・モリセット Alanis Morissette』(1995)
言わずと知れたアラニス・モリセットのデビュー作、好き嫌いに係わらずビョークともに90年代女性シンガーの指針となったと認めざるを得ない一枚。カナダからやってきた彼女がグレン・バラードと作り上げたマスターピース。

何度かアラニス・モリセットの特徴を「うねるメロディ」と表現してきた。アルバムの中にはストレートなメロディの曲もあるが、どちらかというと激しい曲の印象が強い。アラニスがハーモニカを使っているのも興味深い、うねるメロディを表現しやすいからだ。代表曲としてはやはり「You Oughta Know/ユー・オウタ・ノウ」。イメージとしては低音でベースが蠢き、ドラムが贅肉のないビートを刻む。その上のボーカルが一見平坦なメロディをたどりながら中盤から爆発し、その他の音があとの空間を埋めてゆくというものである。

実は激しい曲と言ってもギターやバックの音が激しいということはあまりない。あくまでもアラニス本人の歌が激しい。それを聞かせるために取った最善の方法がこのファースト・アルバムである。さほど激しくない曲も同じ方法論で作られているメロディやインパクトに欠ける曲をゴテゴテしたアレンジを施して聞ける曲にするのではなく、あくまでもアラニスの歌の力でねじ伏せてしまう。


サポーズド・フォーマー・インファチュエイション・ジャンキー_アラニス・モリセット
『サポーズド・フォーマー・インファチュエイション・ジャンキー
/ Supposed Former Infatuation Junkie』(1998)

そしてセカンドもグレン・バラード製作だがファーストで見られた方法論はほぼ捨てられていて、ファーストと似たようなビートの曲でも構造やギターやキーボードの入り方が違うので印象はかなり異なる。
なによりもアラニスのボーカル以外の音が「うねる」のが一番の違いになっている。その意味ではCDにはデモ・バージョンが収められている「アンインバイテッド/Uninvited」の『シティ・オブ・エンジェル/City of Angels』バージョンがやや反則気味だがセカンドを象徴するような曲と言えよう。静かなピアノから始まり、徐々にパーカッションやうねるストリングスが重なり、徐々に盛り上がってゆく。個人的にもこの路線では一番好きな曲だ。セカンドは確かにファーストの世界観とは違うのだが、アラニスっぽさを真似ようとするときに真似やすいのはセカンドの方なのかも知れない。


エヴリデイ_デイヴ・マシューズ・バンド
『エヴリデイ/デイヴ・マシューズ・バン Dave Matthews Band』(2001)
デイヴ・マシューズ・バンドは南アフリカ出身のデイヴ・マシューズによって91年にヴァージニア州で結成されたバンド。インディーズで1枚アルバムを発表後に94年メジャーのRCAよりデビュー、デイヴ・マシューズの歌とソングライティングをR&B、ジャズ、ファンクなどの要素で取り込んだ音楽性ですぐに人気バンドとなった。そしてなりよりもそのライヴに定評がある。『エヴリデイ』はそれまで組んでいたプロデューサー、スティーヴ・リリーホワイトと別れてグレン・バラードと作った作品。グレンはキーボード・プレイヤーとして参加しただけでなく全曲でデイヴ・マシューズと共作している。グレンのキーボードやアレンジ、多用されるエレクトリック・ギター等デイヴ・マシューズ・バンドらしくないという声が聞かれる本作だが、「Dreams Of Our Fathers/父の夢,僕の夢」のアレンジや「Fool To Think」での曲調にグレンの影響を感じる。全体としても悪くはないが、「Mother Father」に参加しているカルロス・サンタナくらいに異物としての存在感がほしかった。
21 : 11 : 21 | デビュー・アルバム『Inside Out』 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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