『ミリキタニの猫』を試写会で観賞
2007 / 08 / 30 ( Thu )
『ミリキタニの猫/The Cats of Mirikitani』
2007/09/08公開 公式:http://www.uplink.co.jp/thecatsofmirikitani/
デヴィッド・グレイ_グレイテスト・ヒッツ
DVD 2008/07/04発売

(*)この映画は出来るだけ事前情報を入れないでご覧になることをおすすめします

ドキュメンタリー映画ではよく題材との距離が問われますが、この映画は対象であるはずのミリキタニ氏とリンダ・ハッテンドーフ監督は途中から同居します。これに対して反発する人もいるでしょう。それでもこれが面白いのはミリキタニ氏のキャラクターが魅力的だからです。その風貌とミリキタニという不思議な名前はどこにも属しない自由人のようです。

ジミー・ミリキタニは日系人としてアメリカに生まれ。第二次世界大戦中は日系人強制収容所に送られ、それをきっかけに、自らアメリカの市民権を捨てます。その後金持ちのコックとなるもその仕事がなくなり、監督と会ったときにはニューヨークで絵を描きながら路上生活をしていました。こうして並べるといかにも重そうに感じますが、始めに出てくる彼の印象はある種ポップというかチャーミングで人を引き付けます。監督が引かれたのもわかります。同居してから彼女に文句を言う場面はそんな彼の姿がよく表れています(監督との喧嘩はもっとあったのでしょうが、見られるのはここだけです)。

監督がミリキタニ氏と暮らすようになるきっかけは911が起こったときに、いつもと同じところにいた彼を放っておけないと思ったことが原因ですが(直接的な損害を受けなくても塵肺もあります)、アメリカでもまだ助け合いの精神がある人がいるのだと感心しました。

ミリキタニ氏は911直後のテレビのニュースでアラブへの偏見を見ながら、自らの体験と重ね合わせていますが、その視線は冷静です。彼の出身地は広島で、原爆では親類をたくさん亡くしています。
この映画を見ていると社保庁や原爆に関する発言など、2007年に日本で話題になったことがなぜか心に浮かびます。

後半は監督がミリキタニ氏のために住む所を世話し、彼の親戚の所在を調べます。そして最後には収容所跡を訪問します。そこは確かに印象的なのですが、その後に来るエンド・クレジットに登場するある場面を見てしまうとなんでこれを入れないのかと思ってしまいます。またその一方で厚い本になりそうな彼の人生を74分でまとめてしまった力技にも感心するのです。

残念なのはミリキタニ氏の言葉にほとんど英語字幕がつく関係で日本語字幕が縦に出て見づらい点です。人によっては英語字幕のほうが見やすいでしょう。

実はこの文章を書くのにかなり苦労しましたが、実に面白い映画です。その後にミリキタニ氏について知りたければ公式ホーム・ページへ!

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

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