『いつか眠りにつく前に』試写会
2008 / 02 / 07 ( Thu )
『いつか眠りにつく前に/Evening』
2008/2/23公開 公式:http://www.itsunemu.jp/
いつか眠りにつく前に
DVD 2008/07/25発売

ヴァネッサ・レッドグレイヴとメリル・ストリープという英米のオスカー女優が共演し、それぞれの実の娘たち(ナターシャ・リチャードソン、メイミー・ガマー)まで出演なんて(この表現が正しいかどうかは分かりませんが)なんて女性映画なんでしょう!男性俳優も『リトル・チルドレン』のプロム・キングことパトリック・ウィルソンで、こちらは文部両道エリート・タイプ。さらに優柔不断ながら嫌いになれないタイプのヒュー・ダンシーと、いかにも女性好み。これにグレン・クローズやトニ・コレットまで出ています。

事前の情報でやや不安だったのは脚本が『めぐりあう時間たち』の原作者マイケル・カニンガムであることでした。あの作品は映画のほうがよく出来ていたと思いますし、『きみに読む物語』みたいにメロメロな物語に仕上がっていたらどうしようと思っていました。確かに物語として甘いところがありますが、最近身近な人を亡くしたなら感じるものがあるかもしれません。基本的には遠い昔の過ち、それらも含めて人生なのよというよくある物語です。米国版のポスターに出てくる舟はあの出来事が無かったら乗れたかもしれない舟というところでしょう。

この映画の一番の問題点は老人のアンを演じるヴァネッサ・レッドグレイヴにあります。彼女への演技の付け方がよくありません。現在の病床での姿と回想シーン(こちらはクレア・デインズ)が交互に出てくるのはいいのですが、夢うつつまで出てくるとやり過ぎな感じがします。

この映画ではあらゆる面で二人の人物が対比されます。40年前では自由に生きようとするアンとお嬢様らしく家柄を考えて結婚に望むライラ。ライラを演じるメイミー・ガマーはメリル・ストリープの娘ですがまだ幼さが残るのがかわいらしく、古風な顔立ちが時代物の映画が似合います。泣く姿がなかなかいいのですが、ちょっと崩れすぎの場面もあるのが気になりました。それと比べるとクレア・デインズはやはり現代的です。

使用人の息子から医者になったハリス(パトリック・ウィルソン)といかにもボンボンという風情のバディ(ヒュー・ダンシー)。ここでは個人的にも注目していたヒュー・ダンシーが期待通りの演技を見せています。イケメンで情けない役をやらせたら一番ではないでしょうか。ここではクレア・デインズにたしなめられる場面が最高です(この二人は実生活では交際中)。暗さは抑え目で、ギャグに逃げることも無い点もダメ男キャラとしては貴重です。

アンの娘であるコンスタンス(ナターシャ・リチャードソン)とニナ(トニ・コレット)。二児の母親であるコンスタンスと仕事も恋も長続きしないニナという組み合わせはライラとアンのようでもあり。ここではニナの方がアンと似たような存在でありながら、二人の間の距離は遠く。最後にそれを埋めるのが主題になっています。実は関係性としてはこの二人の対比が一番興味深かったです。

さてオスカー女優の対面場面は娘時代の二人にも年の差を感じましたが、ヴァネッサ・レッドグレイヴとメリル・ストリープも親友というにはやはり年の差を感じてしまいます。もちろん死ぬ間際のヴァネッサ・レッドグレイヴの方はメイクの影響もあるでしょう。ちなみにこの二人よりも夜勤の看護婦を演じたアイリーン・アトキンスの方が年上です。さてここでの二人のやり取りはやはりアンの人生の全肯定となるので、原作がどういうものかは知りませんがもう少し工夫がほしかった気がします。

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