Emmy Rossum's Favorite Songs vol.9 David Gray
2008 / 07 / 04 ( Fri )
エミー・ロッサムのお気に入り第9回「デヴィッド・グレイ」
デヴィッド・グレイ_グレイテスト・ヒッツ

例の「ユア・ビューティフル」がヒットする前、90年代に台頭したイギリスのソロ・シンガーはなかなかアメリカではヒットしなかった。そんな中で健闘したのがこのデヴィッド・グレイ。しかも彼のブレイクの仕方もなかなかドラマチックだ。

デヴィッド・グレイは1968年、イギリスのマンチェスター生まれ。デビューは1993年の『A Century Ends』、以降『Flesh』(1994)、『Sell, Sell, Sell』(1996)とアルバムをリリースし、レディオヘッド やデイヴ・マシューズ・バンドのライブの前座を務めていたが、レコード会社から契約を解除された。その後わずかなミュージシャンと一緒に作った『ホワイト・ラダー/White Ladder』(1999)が以前から彼の人気が高かったアイルランドでまずヒットして、それを受けてメジャー・レーベルと再契約し英米でも成功した。アイルランドで受けた理由は彼の国が歌の国だからだと思うのだが、プロの人にはこう見ているらしい。その後に『ア・ニュー・デイ・アット・ミッドナイト/A New Day at Midnight』(2002)、『ライフ・イン・スロー・モーション/Life in Slow Motion』(2005)を発表している。

『ホワイト・ラダー』は予算がないことを逆手にとってほとんど本人とドラマーのクレイグ・マックルーンと二人でアルバムを作り、その音数の少なさがデヴィッド・グレイの歌を引き立てることになった。簡素にしてモダンな音作り(アコギやストリングスのかぶせ方がうまい)の「ドウゾ・ボクヲ・ユルシテ」や「バビロン」を聞かせる一方で、「夜盲症」や「今年の恋」などのバラード・ナンバーで曲作りのうまさを見せ付ける。暗闇に薄っすらと光が差すかのような「セイル・アウェイ」、この曲に代表されるように大げさに盛り上げることのない一歩引いた感じの歌唱はこの人の大きな特徴だ。

『ア・ニュー・デイ・アット・ミッドナイト』では核となるのは前作と同じ二人の音作りだが、予算が増えたのだろう、ストリングやブラスを初めとした色々な音が導入されている。中でも「フリーダム」でのイントロのブラス、「キャロライン」での現代的なビートに絡みつくペダル・スチール(弾くのは英国の名手B・J・コール)が印象に残る。しかしながら核となるのは「ビー・マイン」での力みすぎない歌唱や、ピアノを使いながらシリアスな「ジ・アザー・サイド」における彼の感情表現の深みだ。

『ライフ・イン・スロー・モーション』ではやや路線が修正されている。プロデューサーにマリウス・デ・ヴリースを迎えたこのアルバムはストリングス等が隠し味ではなく堂々と曲での居場所を主張している。1曲目の「アリバイ」からしてオーケストレーション抜きではなりたたないようなアレンジ、つまりは正統派ソロ歌手仕様になっている。こうなるとややボーカルが単調な点が気になるが、そこはなんとかソングライティングで乗り切っている。オルガンによるイントロやコーラスが印象に残る「ホスピタル・フード」などは以前の持ち味のままだ。

2007年にはベスト・アルバムが発売されているが、彼がどの方向へと進むのか気になる。
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