『宮廷画家ゴヤは見た』を試写会で観賞
2008 / 09 / 30 ( Tue )
宮廷画家ゴヤは見た/Goya's Ghosts
2008/10/04公開 公式:http://www.goya-mita.com/
宮廷画家ゴヤは見た [DVD]
DVD 2009/04/22発売

市原悦子を思い出してしまう邦題が付いたこの映画は久々に見た変な映画でした。と言っても狙いが中途半端で失敗したような映画ではありません。具体的に言うと後半の話の展開が凄いです。

監督は『カッコーの巣の上で』『アマデウス』のミロス・フォアマン、異端者収容所(?)の描写が代表作を思い出させます。原題は『Goya's Ghosts』、画家ゴヤが見た「幻」「幻影」というよりは、当時のスペインの裏表という感じでしょうか。ゴヤを演じるのは『パイレーツ・オブ・カリビアン』でブーツ・ストラップ・ビルのステラン・スカルスガルド、もちろん変な貝殻はつけていません。ゴヤのイメージと言えば少々気持ち悪い「我が子を食らうサトゥルヌス」ですが、その傾向の絵は冒頭の彼の絵が異端審問にかけられた場面で不道徳なものとして登場します。しかしこの手の絵はこれで打ち止め、彼は王妃の肖像画を描くほどの力量を認められた画家なのです。そんな彼が描いた正統的な肖像画が少女イネスとロレンソ神父の二枚。イネスにナタリー・ポートマン、異端審問でゴヤをかばうロレンソ神父(彼自体は異端審問に積極的)にハビエル・バルデム、むしろ主役はこちらです。肖像画を描くときに安く済ませようとする姿にこの男の小物ぶりがよく出ています。

イネスが居酒屋で豚の丸焼きを気持ち悪いと食べないでいると、密告されユダヤ人と疑われ異端審問所に連れて行かれます。彼女は拷問を受け自白するのです。これが笑えないのは今の時代もどこかで行われている可能性かが高いことを知っているからです。さらに一度自白してしまえば撤回できないのが怖いところです。イネスの父親とゴヤはロレンソを通してなんとかしようとしますが、それを受け入れることになるときのロレンソの情けなさと牢屋でイネスと出会ったときの行為の卑劣さと、さっさとスペインから逃げるこの男を演じたハビエル・バルデムは『コレラの時代の愛』よりも怪演といえるかもしれません。一方このころから汚い姿となったナタリー・ポートマンは最後までこのままで後半はもっとひどくなり、こちらもなかなか熱が入っています。

後半は時代が飛び、スペインがナポレオンの影響下に置かれ、また元に戻る時代へと移ります。このころには聴力を失っていたゴヤですが、激動の時代にいてもニュートラルな視線は変わらないので安心して見ることができます。激動の時代と言ってもどちらの勢力が優れているかは疑問で、今から見ればどちらもそれなりに問題はあるのでしょうが、そんな中で日和見主義的なロレンソの姿はむしろかわいそうなくらいです。そんな彼も最後には少し信念を見せるのも見所です。先にふれたようにこのときのイネスの姿は痩せているだけではなく精神的もかなり病んでいて、物語は彼女に次々と不幸を押し付けますが、最後には小さな幸せを与えてくれます。

ということで、こちらがこうなってほしいと言う思いをことごとく裏切るような後半の展開には賛否両論があるでしょうか、最後に出てくるもう一人の表情なども含めて、個人的には嫌いではありません。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

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