『オーストラリア』試写会
2009 / 02 / 22 ( Sun )
オーストラリア/Australia
オーストラリア [DVD]
DVD 2009/08/12発売
2009/02/28公開 公式:http://movies.foxjapan.com/australia/

バズ・ラーマン監督とニコール・キッドマンの『ムーラン・ルージュ』による劇中のセリフを借りれば「母国オーストラリアを物語る」映画です。映画としては前半が西部劇で後半が戦争映画、この二つをロマンスで繋ぎ合わせます(キレイなヒュー・ジャックマンが見られるのはここです)。個人的に一番面白かったのは序盤、英国貴族夫人が慣れないオーストラリアで戸惑うシーンです。どう見てもコメディで笑えます。ニコールの演技がまたぎこちない仕草で下手に見えます。この辺りのセンスがラーマン監督が他人と違うところではないでしょうか。

続く西部劇パートでは貴族夫人のサラとオーストラリアの大地を比較させて雄大さや野生を強調します。牛追いの場面は見所でもありますし、牛の暴走はハイライトではあるのですが「どうせ牛のコピペか、崖がCGのどちらかでしょう」と思ってしまうのが難点です。それでもアップは俳優ががんばっていると思いたいです。

オープニングの説明にあるように、この映画は当時ののアボリジニの子どもたちの強制隔離政策を否定しています。その意味ではアボリジニと白人の混血少年ナラ(ブランドン・ウォルターズ)が物語の主役(後半で捕らわれのヒロインを兼務)、彼の祖父キング・ジョージ(ヴィッド・ガルピリル)が影の主役、サラ・アシュレイ(ニコール・キッドマン)とドローヴァー(ヒュー・ジャックマン)がヒーローとヒロイン、ニール・フレッチャー(デヴィッド・ウェンハム)が悪人で、この世界を外側から壊す日本軍が外敵ということになります。

そして戦争映画パートではすっかりオーストラリアに染まったサラがナラの今後について悩むところから始まります。ナラも隔離施設に入れられる可能性が高いからです。この政策についての映画といえばフィリップ・ノイス監督の『裸足の1500マイル/Rabbit-Proof Fence』がありました。一回劇場で見たきりなので細かい点は忘れましたがケネス・ブラナー演じる役人が正しいことをやっているという表情だったことをなんとなく覚えています。結局ナラは施設に送られ、やがて日本軍がやってきます。ナラが入った施設はダーウィン近くの小さな島にあるために日本軍による空襲の最初の標的にされます。実際に小島に施設があったのか、政府は敵が攻めてきたらすぐに狙われそうな所に置いてけぼりのままにしたのかは勉強不足でよく分かりません。物語を盛り上げるためのフィクションだとしたらやや陳腐に感じられます。先に日本軍は外敵としましたが、それは顔が見えないからです。最後の最後でドローヴァーたちが危険を承知で施設にいたアボリジニの子供たちを助けに行くときには犠牲者が出ます。このときはさすがに日本軍は顔が見える悪者です。空襲を受けたわりには生き残っている少年も多い気がしますが、これもご都合主義気味です。

ダーウィンは焼き野原となりそれまで映画『オーストラリア』の登場人物たちが築き上げてきたものは消えて無くなります。悪人は去り、ある人は死んだと勘違いされます。ここで価値観が転換されるわけですが、ラストでナラはアボリジニ寄りの選択をします。アボリジニ隔離政策を否定する映画としてはアボリジニと白人との融合を目指すのかと思ったら、なにやら最初に戻ったようで肩透かしくらったような印象を受けましたが、これがあの時代をふまえての結論かもしれません。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

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