『ココ・シャネル』VS『ココ・アヴァン・シャネル』試写会
2009 / 09 / 16 ( Wed )
今回『ココ・アヴァン・シャネル』の試写会を見る機会をいただきましたので、その前にすでに上映中の『ココ・シャネル』も見てみました。間を開けずに見たために多少勘違いや混同があるかもしれませんので、そのときにはご指摘ください。

ココ・シャネル / Coco Chanel
2009/08/08公開 公式:http://coco-chanel-movie.jp/
ココ・シャネル [DVD]
DVD 2010/01/20発売
まずは『ココ・シャネル』から、まずはシャーリー・マクレーンが復帰したときのココ・シャネルを演じるのがこの映画です(正式にはテレビ映画で、その部門でゴールデン・グローブにもノミネートされています)。カムバックは失敗しますがそれを糧にして次のコレクションを開こうとするシャネルが過去を振り返ると言う構成です。そのためにシャーリー・マクレーンの出番は多くありませんが、後半にはわりと頻繁に出てきます。テレビ映画ですし、もう少し振り返る回数が多くても良かったかもしれません。

少女時代に母と死別し、父親は姉妹を孤児院に預けるという流れはシャネルが1883年生まれということを考えればそう珍しいものではありません。愛称であるココの由来になった"ココの歌"(?)を歌う場面などは面白かったです。若き日のシャネルを演じるのはスロヴァキア出身のバルボラ・ボブローヴァ、少し線が細く幸が薄い顔ですがシャーリー・マクレーンと同等のインパクトがあっては物語が成り立たないのでこれでいいと思います。

物語は軍人のエチエンヌ・バルサンや、彼の友人であるボーイ・カペルと出会い暮らすようになります。ここで男物を取り入れることや素材としてジャージーに注目し、着ていて楽な服という考え方が生まれるなど、のちのシャネルの特徴になる要素の萌芽が見えます。そうしてゆく間に帽子屋(一度は場所が悪いこともあって失敗)からデザイナーへとなり、この付近で無理やり香水のエピソードが挟まれます。

一方復帰した老シャネルはビジネス・パートナー(マルコム・マクダウェル)の説得に反対して2度目のコレクションを開こうとします。ここで自立する女性を表現しているのでしょう。そして過去のシャネルは上流階級の婦人から嫌味を言われたりする場面を入れることで過去と現在の女性像を対比させています。それはいいのですが、全体的にこの映画の一番の欠点は人物描写が弱さです。前に出てきた人物が次に出てきたときに"あれ、誰だっけ?"と思う場面がたびたびありました。

伝記ドラマとしては平均的な作りですが、シャネルのどこが優れたデザイナーかを他人の比較等で見せてくれないという最近の音楽映画と同じ不満が残りました。とくに老シャネルが2度目のコレクションを成功させた理由はとくに描かれないのですが、なんとなく納得できるのはシャーリー・マクレーンの貫録ゆえです。

ココ・アヴァン・シャネル / Coco avant Chanel
2009/09/18公開 公式http://wwws.warnerbros.co.jp/cocoavantchanel/
ココ・アヴァン・シャネル特別版 [DVD]
DVD 2010/01/20発売
孤児院に連れて行かれる姉妹、日曜ごとに父親を待つ少女、そこから歌手を目指して盛り場で歌を歌う二人(もちろん"ココの歌"もあり)、やがて姉は金持ちに見初められ、ココもいい人を見つける。という流れまではテンポが良く「『ココ・シャネル』よりずっと良いかも」と思ったのですが、ここからエチエンヌ・バルサンとボーイ・カペルの話が長いというか、ほとんど最後まで進みます。ここでココ・シャネルになる前のシャネルという意味が分かってきます。ということできらびやかなファッションが詰め込まれた映画にはなりません。それでも上流階級の様子を(シャネルの視点で)見ることができるのは面白いです。

『ココ・シャネル』では説明的だった自立した女性像や女性の解放といったテーマはセリフではなくオドレイ・トトゥの存在感や不機嫌そうな表情で表現されます。途中ウトウトしていた点を差し引いても帽子から服への流れはかなり省略しているというか、明確なトピックとしては描いていません。つまりはデザイナー・シャネルではなく人間シャネルを描いているということです。屋敷や景色はこちらのほうがいいと思いますし、最後のファッション・ショーの場面はさすがにきれいに撮れています。

当然この映画もデザイナー・シャネルの秘密を明かしてくれような映画ではありませんし、『ココ・シャネル』と比べるとシャネル・ファッションのヒントはこちらの方が少ないです。また面白いことに二つの映画は同じようなところで終わります。『アヴァン』を見て連想したのはケイト・ブランシェット『エリザベス』でした。あちらも単に女王になっただけではなくいくつかの事件を経て女王として生きてゆくことを決意した場面で終わります。この映画も大きな出来事の後にデザイナーとして生きることを決意したところで終わります。これも続編が作られるかもしれません。

というわけで『アヴァン』、『ココ・シャネルの順番で見ると分かりやすいかもしれません。ちなみに"ココの歌"はオドレイ・トトゥ自身が歌っていると思いますが歌う姿がかわいいのでおすすめです。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

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