『運命のボタン』試写会。 『ウルフマン』と同じく雰囲気だけは申し分なし
2010 / 05 / 02 ( Sun )
運命のボタン / The Box
2010/05/08公開 公式:http://www.unmeino.jp/
運命のボタン [DVD]
2010/10/22発売

原作は立ち読みでも読めてしまう量のリチャード・マシスンによる短編。ボタンを押すと大金が手に入るが見知らぬ誰かが死ぬと知らせられた夫婦のお話。べつにこちらを先に読んでいても問題はないです。映画が始まるとNSAやNASAの名前が飛び交います。見ているこちらとしても何か仕掛けがあるのではと構えてしまいます。舞台が1976年と出るのでもしかして70年代と別の時代が交差しているのかと思ったのですが、そうではなかったです。キャメロン・ディアスがサスペンスに挑戦という売り文句になっていますが、これはSFです。それを匂わす要素は早い段階から様々にばら撒かれ、次第にSF以外にありえなくなります。

これは原作を拡大したというよりは監督・脚本のリチャード・ケリーが持っていた別のアイディアをこの原作に当てはめたような気もします。ストーリーとしては難解ではないとしても分かりづらくなっています。俳優対の演技にしてもストーリー全体は知らされずに撮影当日に自分の脚本だけを渡されて演技をしているかのような印象すら受けます。前半のミステリー調のパートを俳優たちがそう思ってやっているとしたら面白いと思いました。後半のSF展開になるといくつかの過去作からの影響が見えます。『インベージョン』(『ボディ・スナッチャーズ』)からの影響があるようですが、過去作はよく知りません。

この映画で"彼ら"がやっていることは分かりづらく、作り手がわざとはぐらかしているように感じる人もいると思うのですが、シャマラン監督にしても、このリチャード・ケリーにしてもそのつもりはないように思います。彼らにとしてみれば十分に説明していると思っているでしょう。編集の人は大変です。

キャメロン・ディアス、ジェームズ・マースデン、フランク・ランジェラの3人が出演しているのは知っていましたが、そのほかは知らない人ばかり。それだけに匿名性が高いというかどんな演技をするか想像できない人が予想もつかない行動をするのはやはり怖くて効果的です。3人のなかではキャメロン・ディアスがきれいに撮られていて、時代物は似合わないとしても、このくらい古いノスタルジー物ならけっこういけるのではないでしょうか。撮影はスティーヴン・ポスター、さほど有名ではないようですが『未知との遭遇』や『ブレードランナー』にも係わったことのあるベテランで、リチャード・ケリー監督作品の撮影はすべてこの人です。監督が狙ったであろう時代を感じさせながら不吉さを感じさせる画になっていると思います。ジェームズ・マースデンは今回寝取られるような展開になりません(笑)。フランク・ランジェラは予告のときには気にならなかったのですが、顔があんな風になっているとは…CGなのでしょうがインパクトあります。身体の障害はキャメロン・ディアスにもあってこの映画の隠し味になっているのですが、それがあまり効果的に思えないのは、ラストで夫婦の子供に起こる身体に関する不幸がさほど酷いものに思えないからです。それはぼくが『オペラ座の怪人』二次創作(『ファントム』『マンハッタンの怪人』)を読んでいたということもあるのですが、夫婦の決断と代償に釣り合いが取れていないので説得力に欠けると思うのです。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

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