『キッス&テル』セレーナ・ゴメス&ザ・シーンと『眠れない夜』セリーナ
2010 / 06 / 08 ( Tue )
 Kiss & Tell~セレーナ・ゴメス&ザ・シーン
『キッス&テル』セレーナ・ゴメス&ザ・シーン Kiss & Tell/Selena Gomez and the Scene (2009)

アメリカのラテン系といってもいくつかのパターンがある。音楽ファンならニューヨークのプエルトリコ系、カリフォルニアからメキシコ国境にかけてのメキシコ系、フロリダの(亡命)キューバ系人を思い浮かべると思う。もちろんジャマイカやハイチからの人もいる。映画『エル・カンタンテ』のところでふれたが、メキシコ系歌手セリーナという人がいある。元ファンクラブスタッフに射殺されてしまった彼女のことをニューヨークのプエルトリカン(ニューヨリカン)であるマーク・アンソニーはアルバムで追悼し、同じくニューヨリカンのジェニファー・ロペスが映画でセリーナ役を演じた。そしてこの二人は現在夫婦である。

とダラダラ書いてきたがセレーナ・ゴメスとどう関係があるかというと彼女の名前はそのセレーナにちなんでつけられている。ということでこの文章はこのアルバムをディズニー・チャンネルのスタートしてではなく、ラテン的視点で捉えることだがラテンを感じさせる要素はあまりない。たとえ英語詞であってもアイドルがラテン色を出す段階にはないのだ。『バレンタインデー』のサウンドトラックのところで語ったようにテイラー・スウィフトがカントリー歌手としてデビューし、ジュエルがカントリー歌手としてデビューしなかったのと似ているかもしれない。

日本盤の帯によるとロック・クィーンとして扱いたいようだが、スローな曲が1曲というのもいい。個人的にはアメリカ盤のかわいらしいオリジナル・ジャケットのほうが好きだが、日本では落ち着いた感じにしてロックらしさを演出?ロック的な曲はゴーゴーズのジーナ・ショックが曲作りに参加した曲が多く、またセレーナにも合っている。1曲目タイトル曲「キス&テル」はハンドクラップが使われグラム・ロックを意識した音作り。ファースト・シングルになった「フォーリング・ダウン」はパーカッションが若干ラテン色を感じなくもないが、曲名に引っ掛けるならコースターが下るような曲調が特徴、ポップ・パンク調の「クラッシュ」の分かりやすさ、ベース・ラインが印象的な「ストップ&イレース」とアルバムの中でキーとなっている。セカンド・シングル「ナチュラリー」はダンス・チューン、アメリカでのアルバムの発売昨秋 だが2010年に入ってこの曲が米英でシングル・ヒットしたことで単なるアイドル女優の余技以上の印象を残せたと思う。ぜひラテン風味のリミックスも聞きたい。「モア」はダンス・チューンでありながらメロディにフックがあるというスタイルは2009/10年的にいえばレディ・ガガ調ということになる「テル・ミー・サムシング・アイ・ドント・ノウ」は自身が出た映画の主題曲の再録音、この歌いっぷりは好きで、ラップをやれとは言わないがこうした譜割の曲がもっと増えると面白くなると思う。日本盤ボーナス曲は「フォーリング・ダウン」リミックス、これはニューヨリカン・ソウル「ランナウェイ」を意識しているように思うのだがどうだろうか。アメリカでは早くも秋に新作が出る予定となっている。スペシャル・サンクスの冒頭は神様、ディズニー・チャンネルはスカウトするときにそうした家庭環境調査もするのだろう。
オリジナル・ジャケット

Dreaming of You_Selena 
『眠れない夜』セリーナ Dreaming of You/Selena (1995)
ここからはセレーナの遺作というか英語曲と過去曲を集めたアルバム『眠れない夜』の話となる。こちらも英語曲にラテン色はあまりない。「あなたなしではいられない / I'm Getting Used to You」でルイス・コンテのパーカッションが聞こえるくらいだ。全体的には当事のR&B調かセリーヌ・ディオンを髣髴させる(そういえば彼女もはじめはフランス語の歌を歌っていた)王道ポピュラー路線の二つ。ここでは王道路線がいい、ダイアン・ウォーレンによる「あなたなしではいられない」はホーンのフレーズも決まっているし、ディズニー・プリンセスの主題歌のようなタイトル曲もいい。R&B寄りの曲ではフルフォースと組んだ「恋しいあなた / Missing My Baby」が良い。逆に残念なのがデヴィッド・バーンとのデュエット「舞い降りた天使 / God's Child (Baila Conmigo)」、バーンの歌はノリが悪い。バーンにしても今ほど自分の外にあった音楽をうまく消化し切れていない段階だったのだと確認した。

残りはスペイン語曲「テクノ・クンバイヤ / Techno Cumbia」という曲名から想像するにそれまであったメキシコ系音楽にテクノロジーを導入して身軽なものにしたと思われる。ただその分軽く、チープに聞こえるのも確かで、伝統的(あるいはローカルな)音楽が今日的な音楽として生き残るための通過点として見たほうがいいのだろう。最後は「ビディ・ビディ・ボン・ボン / Bidi Bidi Bom Bom 」レゲエ調といったら良いのだろうが曲の良し悪しは別にして盛り上がるタイプの曲だ。この曲はセレーナ・ゴメスがライブで取り上げている、もちろん披露した会場は二人のセレーナの地元テキサスだ。
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