『ドリーム・アティック』リチャード・トンプソン。やはりラスト曲のソロが強力
2010 / 11 / 27 ( Sat )
ドリーム・アティック [日本盤・ボーナスディスク付] リチャード・トンプソン
Dream Attic: Richard Thompson
『ドリーム・アティック』リチャード・トンプソン

英国フォークの重要バンド、ファエポート・コンベンションの元ギタリスト、リチャード・トンプソンと言ったところで知らない人がどう思うのかは知らないが、60年代後半にデビューしたギタリストで今現在これほど強烈なギター・ソロを披露してくれる人が何人いるだろうか?死んだ人は数知れず、セミリタイヤ状態の人もいる。現役の人にしても音楽性をギター・ソロ中心から一歩引いたプロデューサー的視点や歌モノを作っていることが多い。今でも攻めのギターを弾いている人と言ってまず思い浮かべるのはジェフ・ベックだが、彼の場合基本はインストで(あ、アメリカにはサンタナなんて人もいたな)、リチャードの音楽は歌モノである点を考えるとやはり凄い。彼のギターの特徴であるバグパイプ等のフォーク系楽器の音を模した音色はたしかに唯一無二の素晴らしいものだが、優れた作曲家としての存在も無視できない。

そんなリチャード・トンプソンだが90年代から2000年ごろにかけては(ビデオアーツが出していた盤も含めて)よく集めていたのだが、最近は限定ものもあり聞いていないものもある。「そうは言っても聞かなくても駄作はないのは分かっているし…」というしょうもない言い訳をしてみる。久々に発売直後に買う気になったのは新曲がフリー・ダウンロードできたからだ。

さて新作は新曲によるライブ録音という技術に自信があるミュージシャンなら一度は考える方式となっている。しかし観客の声は曲の終わりの方にしか聞こえてこないのでふつうのアルバムとして聞くことができる。リズム隊のほかにはギター、サックス等のマルチ・プレイヤーとしておなじみののピート・ゾーン、これにヴァイオリンのジョエル・ジフキンが加わっている。ヴァイオリンと言うとフェアポート・コンヴェンションを連想すると言う人も多いだろうがデイヴ・スワーブリックと言うよりはリック・サンダーズに近いとの印象を受けた。中近東風の曲にはよく合っていると思う。

ここに足りないのはアコーディオンの音だろうか、「ザ・マネー・シャッフル」や「ホール・ミー・アップ」などではほしくなる。そんなときはだいたいヴァイオリンやサックスで似たような音を出している。お待ちかねの強力なギター・ソロが聞かれるのは「クライムシーン」と「イフ・ラブ・ウィスパーズ・ユア・ネーム」。「クライムシーン」は題名通りに不気味な曲調で、ヴァイオリンも不穏な雰囲気を醸し出し、それに続いてギターが飛び出す。ラストの曲は少し「クライムシーン」と曲調が似ている、いかにも最後の曲という感じだ。ギター・ソロはこちらの方が好みだ。歌詞にユーモアを感じるのは「ザ・マネー・シャッフル」や「デーモンズ・イン・ハー・ダンシング・シューズ」あたり。ビートがマイケル・ジャクソン「ビリー・ジーン」に似ている「ビッグ・サン・フォーリング・イン・ザ・リバー」(これが無料ダウンロードで聞けた曲)、ニック・ロウの「アイ・ニュー・ザ・ブライド」を連想させる「バッド・アゲイン」などポップな曲にも注目だ。

2枚目は同じ曲目のアコースティック・デモ。基本的にはエレクトリック・セットを支持するが、アコースティックを聞いて分かったり感じたりすることもある。「シドニー・ウェルズ」の8分の9拍子はこちらの方が分かりやすいし、「ホール・ミー・アップ」のようなつんのめるビートはアコースティック・セットによく似合う。
20 : 00 : 48 | 音楽 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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