『ソーシャル・ネットワーク』試写会。 『アンストッパブル』とは違い対立構造が面白い
2011 / 01 / 13 ( Thu )
ソーシャル・ネットワーク / The Social Network
2011/01/15公開 公式HP:http://www.socialnetwork-movie.jp/
アンストッパブル ブルーレイ&DVDセット〔初回生産限定〕 [Blu-ray]
Blu-ray: 2011/04/27発売

SNSのフェイスブックの成り立ちをデヴィッド・フィンチャー が撮った映画です。事前の情報から単純な誕生秘話にはならないことは分かっていました。監督も脚本家アーロン・ソーキンもフェイスブックを積極的には使わずにフラットな気持ちで取り組んだようです。その結果単にフェイスブックを賛美した作品にはなっていません。ただフェイスブックが成功していることが当然のことという現在の視点から描いていると思われる箇所が少しあるのは残念です。逆にプライベート流出と言った問題点にも触れないのはフェアだと思いました(その問題点はフェイスブックだから起こることではないのですが)。

主人公マーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)はオープニングから変で、恋人(ルーニー・マーラ)との会話が噛み合っていません。彼は彼女が話したこととまったく関係ないことを話したかと思うと少し前に彼女が振った話題に答えたりするので、彼女はいらつき「あなたがもてないのはオタクだからじゃなくて、サイテーなやつだからよ」と捨て台詞を言ってその場を立ち去ります。

ここから「恋人の悪口をブログに書く→それでは飽き足らずハーバード大学のコンピューターにハッキングして友人エドゥアルド・サベリン(アンドリュー・ガーフィールド)と一緒に女子学生比較サイトを立ち上げる→大学に咎められる→エリートクラブの双子から学内写真帳を利用した交流サイトを作ってくれと頼まれ、引き受ける→少しだけエリートの空気を味合う→双子の注文を無視する形でザ・フェイスブックを立ち上げる」という誕生の様子がテンポ良く描かれます。昔『ビューティフル・マインド』でCGの数式が現れては消えるという描写で主人公の天才ぶりを表現していましたが、フィンチャー監督はプログラミングのうまさをそうした手法で描くつもりはなく、サラッと流します。

映画は双子、さらにはエドゥアルドから訴えられた裁判を現在として、過去を振り返る形で語られます。しかし重点は誰が、何が本当なのかと言った法廷劇にはなりません。ですから一部で言われているような『羅生門』的展開だというのも少し違います。主題は何かと言うと旧来の価値観に頼る双子たちと新興起業家のマークという対立になっています。双子は親のコネを利用して弁護士や学長を担ぎ出してマークたちに圧力を掛けようとします。最終的に訴えるとは言え最初に自分でなんとかしようとしない彼らはいかにも坊ちゃんという感じですが、彼は自体はエリートのレールに乗っているのでアイディアを乗っ取られたという実害よりは名誉を重んじているように感じます。友情があったわけではないのでそんなに損はしていないようにも感じます。彼らはとうぜん負け組みではありません。あのクラブにいるということは大金持ちになることは保障されているからです。ただザッカーバーグのように超大金持ちにはなれないだけなのです。それに対してエドゥアルドの件はそうはいきません。ナップスターの創設者ショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)を受け入れる過程ではじき出されるかっこうになります。ショーンが持ち込んだ女、ハッパと言った明るい西海岸風空気はそれまでのハーバードの連中にはない空気でした。

どうやらこの映画の中ではまだ誰もがフェイスブックを使える状態ではないようです。フェイスブックが広がる様子は西海岸、イギリス、ボスニアと言った具合に分かりますが、現代人に不可欠なものになった過程は描かれないため最後にエリカが使わざる負えなくなったことがうそ臭く感じます。この映画の流れだと彼女は絶対に使うことを拒否するように思えます。またフェイスブックが誰にも使える「オープン」な状態にすることは、ナップスターのショーン・パーカーがいるわりには少なめです。「オープン」と言う考え方は双子が考えたエリートのみで構成される世界からの開放でもあるので残念です。ナップスターはすぐに潰されましたが、今やCDは売れず音楽は限りなく「フリー」に近づいています。

マーク・ザッカーバーグを演じるのはジェシー・アイゼンバーグ、『ゾンビランド』と同じくオタクですが、属性は違います。僕が彼をはじめて見たのは『イカとクジラ』でした。そこで彼が演じたのはピンク・フロイドの曲をパクってコンテストに応募してしまう少年でした。つまりこの少年は人にどう見られるかを第一にして、自分を良く見せようと必死なのです。アイゼンバーグはこうした外面を気にかけることに一杯一杯の青年を得意としてきました。この映画はそれらと似ているようで違います。服装を見ても分かるように自分に素直で周りにオタクと言われても自分の流儀を通します。ビル・ゲイツもリチャード・ブランソンも時間をかけてノー・ネクタイを認知させていったのです。

エドゥアルド・サベリンを演じるのはアンドリュー・ガーフィールド、始めてみたときは少年っぽいと思いましたが、ホントに目つきが悪くなっていて『スパイダーマン』が心配です。ウィンクルボス兄弟を一人二役で演じるのは『ゴシップガール』セカンド・シーズンでガブリエルを演じたアーミー・ハマーどこか怪しげな雰囲気を感じるのは先入観でしょうか。その双子のひっつき虫状態のディビヤ・ナレンドラは故アンソニー・ミンゲラの息子マックス、いい味を出していました。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

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