『ザ・タウン』試写会。 『ソーシャル・ネットワーク』と同様に前作を超えたという監督の思いを感じる
2011 / 01 / 30 ( Sun )
ザ・タウン / The Town
2011/02/05公開 公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/thetown/
ザ・タウン Blu-ray & DVD〈エクステンデッド・バージョン〉ブックレット付き(初回限定生産)
Blu-ray: 2011/07/20発売

『ゴーン・ベイビー・ゴーン』に続くベン・アフレック監督2作目です。前作の原作者デニス・レイヘンと似たテイストのチャック・ホーガン『強盗こそ、われらが宿命』を原作としながら受ける印象はかなり違うものとなりました。『ゴーン・ベイビー・ゴーン』は主演に実弟ケイシー・アフレックとミシェル・モナハンと言う地味目のキャスティングだったので、演出の力点は脇を固めたのはモーガン・フリーマン エド・ハリスで、そちらの方に置かれていました。そして誘拐された娘の母親を演じたエイミー・ライアン(彼女はこれで各賞にノミネート)へのダメ人間演出も光りました。対して今作ではベン・アフレックが主演・脚本を兼任しています。おもな共演俳優は主演俳優と同世代か下の世代ということで映画の中心はまさしくベン・アフレックとなっています。ベテランは前作のように大きな役割を果たすのではなくピンポイントで登場します。

監督は過去の犯罪映画をよく研究しているようで、後半の銃撃戦などにその様子が伺え、もちろんそこでは主演俳優を引き立てています。その一方で今の時代らしさもあります。あるものをチンしたり、あるものを捲いたりする映画は初めて見ました。強盗と言っても、襲撃現場も強盗団が住む所も限られた地域なので単に逃げるだけでなく痕跡を消して平然と日常生活に戻るのは大変さなどもよく出ていました。2度あるラブ・シーンは少し恥ずかしそうな感じもしますが、これはこれで良いでしょう。俯瞰ショットとぐるぐる回るカメラ・ワークは少し多めな気がします。

ボストンに強盗を家業にしているような地域(タウン)があるということですが、一人が堅気の人間がいないと成り立たないと言うのがうまいと思いました。敵もそれに勘付くあたりの展開はうーんと唸ります。強盗と言う宿命を下の世代に受け継がせるのが主人公ダグ(ベン・アフレック)の父親(クリス・クーパー)や裏の街の顔役ファーギー(ピート・ポスルスウェイト)です。クーパーは司法取引を拒否して長期の収監を受け入れるという頑固さを見せてくれます。それに対してポスルスウェイトはまず表の職業とのギャップが良いです。彼はダグにとっては父親代わりでもあるわけですが、後半は父親超えが一つの鍵になっています。

強盗団では何と言っても『ハート・ロッカー』のジョン・ハムが演じるフローリーが良いです。少し短気ですが、腕前はたしかで、刑務所に入ったときの話などは凄みを感じさせます。強盗団と対峙するFBIフローリー捜査官を演じるのは『マッド・メン』のジョン・ハム。あのドラマと同じようにキメキメの演技を見せ、役柄に合っています。ヒロインとの絡みが少ないのは少々残念でした。そのヒロインのクレアはダグたちが押し入った銀行の支店長です。強盗団の予想外のことが起こり彼女に顔を見られていないかと思ったダグは彼女を観察します。クレアを演じたのはレベッカ・ホール、特別な美人ではありませんが男好きする顔と言うべきでしょうか。次第にダグが惚れてゆくのも説得力があります。もう一人ダグと関係を持つ強盗団の妹クリスタを演じるのは『ゴシップガール』のセリーナことブレイク・ライヴリー。きつめの化粧に胸元を強調した衣装で、いわばドラマ開始時点以前のバッド・ガールなセリーナ、このくらいはできてとうぜんでしょう。終盤の消え方が少し残念でした。

本作は『ミスティック・リバー』『ディパーテッド』『ゴーン・ベイビー・ゴーン』と言ったボストンを舞台にした映画よりはスタイリッシュになっています。それはベン・アフレックが自分を格好よく見せたいと言うよりは、泥沼に引きずり込まれる描写が少ないからでしょう。個人的にはそこが物足りませんでした。先にあげた映画はそれがあることで悲劇性が増し、印象を強くしています。そしてそれを体現するのは少年たちなのです。そうした描写が少ない本作にはそれが感じられないわけです。その一方で本作にあるのはその泥沼から這い出ようともがく姿です。それはとうぜん後半に出てくるのですが、ややばたばたとしていて、監督の新生面とまではなりませんでした。それでも監督2作目としては手応えのある作品に仕上がっています。レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークを出すなどのボストン色も健在です。まだこの街が舞台にした映画を撮ると思いますが、いつかこの街以外を舞台にした映画も見てみたいと思います。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

22 : 00 : 00 | 試写会 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
<<Emmy Rossum出演ドラマ『Shameless』1月まとめ | ホーム | エミー・ファン!ブログ 2011年1月の告知と情報とニュース>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL
http://emfanjp.blog18.fc2.com/tb.php/775-57a596a4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |