『127時間』試写会。 『ゲンスブールと女たち』とは違う種類のユーモアもあるが基本はシリアス
2011 / 06 / 12 ( Sun )
127時間 / 127 Hours
http://127movie.gaga.ne.jp/
127時間 ブルーレイ&DVDセット (初回生産限定)
Blu-ray: 2012/01/07発売

ダニー・ボイル監督、『スラムドッグ$ミリオネア』に続く新作はロッククライミングを中に落石に右腕を挟まれてしまった青年アーロン・ラルストンの話です。実話なので彼がどうなったか(どうしたか)は見当が付くと思います。

オープニングは分割画面にスポーツ競技や通勤風景の画が写され、主人公のアーロンが週末旅行の準備の場面になります(ここで彼の留守電に出ないことなどが一つの象徴となります)。そして彼はブルー・ジョン・キャニオンに到着します。この辺までテンポのいい編集と音楽(A・R・ラフマーン)でスピーディーに見せるのはダニー・ボイルらしいスタイルです。やがてキャニオンの中で二人の女性と出会いしばらく行動をともにします。このやりとりでは彼のいい意味での軽さを見せてくれます。それと同時に人との付き合いに関しては浅い付き合い方をしてきたことがうかがえます。

そうしているうちに運命の落石の瞬間は急にやってきます。そこは大げさになることもなく、演出は静かなものとなります。アーロンは登山の経験があるので宙ぶらりんになってもロープを使って身体を安定させます。しかし大きな岩なので引いても押してもビクともしません。

メモを残すこともなく落ちたところは人目につくような所ではないので、叫んでも誰も来ませんし、上を向いて見えるきれいな青空もむなしいだけです。ここでアーロンはユーモアを発揮します。カメラで動画を撮影し現状を記録するだけではなく、自分がテレビ・ショーに出演するところを想像します。その一方で救助ボランティアの経験から、この旅行のことを誰にも連絡していいないので家族や仕事仲間が捜索願を出すころには死んでいるだろうと考えます。この気ままな独身男が人と距離を置いて生きてきたことがよく分かります。

水筒の水が尽きてくるといよいよ幻を見るようになります。この幻や回想シーンをこの少し前に出さなくて正解だと思いました。自由気ままな生活を送ってきたアーロンが家族や元恋人のことを考え始めるからです。また、幻か現実の確認方法が現代的で良いです。極限状態になった彼はようやく本気で生き抜くことを考え、薄れゆく意識で厳しい決意をして実行します。ここは多少ぼかしているとはいえホラーになります。直視できない人もいるでしょう。これは途中で失神したりしたらそれこそ死に直結することを考えるとゾッとします。映画では彼を生に導いたものは人との繋がりを求めることです。それでも本人が持つ飄々としたキャラクターもけっこう重要だと思いました。出ずっぱりでアーロンを演じるのはジェームズ・フランコ、岩に挟まれている上体は特殊効果だとしても、やつれて行くのは実際に食べたり飲んだりしていないのでしょう。なるほど画面を一人で受け止める力とシリアスになり過ぎないユーモアをうまく出しています。

ただクライマックスでわりと映画でよく使用される某バンドの曲が流れるのはどうでしょうか?確かに盛り上がるのですが気になりました。ブルー・ジョン・キャニオンで出会うのは『旅するジーンズ』のアンバー・タンブリンと『ザ・シューター/極大射程』の ケイト・マーラ。タンブリンは『旅するジーンズと19歳の旅立ち』でも感じたのですが、腕はけっこう逞しいです。元恋人役はクレマンス・ポエジー、ハリー・ポッター『炎のゴブレット』三大魔法学校対抗試合のフランス女子校代表役の人で、パリから始まる『ゴシップガール』S4にも出演しています。説明はないですが「愛の賛歌」もかかるのでモデルがフランス人なのでしょう。花嫁姿を見せる姉は『ミーンガールズ』ジャニス・イアンことリジー・キャプランでした(少し驚きました)。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

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