『アイ・アム・ナンバー4』。 『127時間』と比べれば甘々だが手続きは踏んでいる
2011 / 07 / 03 ( Sun )
アイ・アム・ナンバー4 / I Am Number Four
2011/07/08公開 公式:http://www.movies.co.jp/no4/
アイ・アム・ナンバー4 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
DVD発売日: 2012/01/18

『アイ・アム・ナンバー4』というタイトルを聞いて、連想するのはイギリスのテレビ・ドラマ『プリズナーNO.6』ですが実は(リメイクのお試し1話配信を除いて)見たことがありません。数字という記号的な意味しか持たない状態から脱出を願うという、一種のアイデンティティ・クライシスものだと想像しています。そしてこの映画のナンバー4は宇宙人です。設定は彼らの種族が住む星がモガドリアンという勢力によって侵略を受け、9人が地球に逃げて敵に存在を悟られないように彼らを守る守護者と暮らしています。映画の冒頭でどこかの熱帯雨林のようなところに暮らしているナンバー3が殺され、ナンバー4の体に異変が起きて彼もそれに気付きます。それまで海辺でふつうに暮らしていたナンバー4ですがこのときに体から光が出るなど力に目覚めこの地を離れなくてはならなくなります。守護者と次の移住地を相談して田舎の高校に決めます。このとき人都市部ともっと少ないところのどちらが安全かを話し合いますが、このへんはもう少し理論的な説明がほしいところです。いちおうナンバー3が人里離れた土地にいても殺られたこと前提にはしています。

この後は超能力バトルになるかと思いきや、意外な方向へ行きます。ナンバー4の力の目覚めが思春期の青年に起きることと重ねられているのです。なにせナンバー4君ことジョン・スミスは転校初日に教師に叱られる美少女サラを見て気にかけます。このサラはスポーツ選手の恋人と別れたために学園の主流派から非主流派に追いやられています。サラを演じるのは『Glee/グリー』のダイアナ・アグロン、この映画と『Glee』のどちらが先に決まったかは知りませんが、非主流になっているところなどは『Glee』の影響かもしれません。そしてロッカーの前でオタクをいじめるのはサラの元恋人のグループ。ナンバー4は、父親は宇宙人にさらわれたと信じるこの宇宙人オタクと親しくなります。

ナンバー4の力が出現するのは学校やデート中のときで「そんな青春してないで、敵から身を守れよ」という声もあるでしょうが、思春期の少年少女の揺れ動く心と力の出現という形で表現されるという手法はキャサリン・ハードウィック監督の手法に似ていると思います。彼女がこれまで追求してきて新作『赤ずきん』では忘れかけていた感覚です。ここにもう一人テリーサ・パーマー演じる美少女が登場します。僕は事前に彼女がナンバー6だと知っていましたが、一応最初は謎の女戦士として登場しているようです。映画はナンバー6が合流してからはさすがに超能力バトルになります。モガドリアンには顔の表情に感情はなく、おそらく狩猟民族なのでしょう。ナンバー4たちの種族を完全制圧しようとしているというよりは狩りを楽しみにしていると感じました。原作本ではその辺の描写はあるのでしょうか。それでもペットのために餌を買い揃えるあたりはほほえましいギャグシーンになっています。

ティモシー・オリファント(クレジットを見るまで気付きませんでした)演じるナンバー4の守護者は身を守るためにインターネット上にアップされたナンバー4の写真を削除しまくったりします。つまりジョン・スミスという人間は存在してはいけないのです。とりあえず彼らには人の記憶を消すようなスキルは持っていないようですし、そこにいてもやがてはいなかったことになる主人公はアイデンティティ・クライシスの問題を抱えるわけです。その点は思いっきり甘味なもののP・K・ディック原作作品としては色ボケ気味の「アジャストメント」より好感が持てました。D・J・カルーソー作品としても『イーグル・アイ』よりははるかに良いと思います。これディズニー配給のドリームワークス製作映画なのですね。

最後にこの映画の3人のブロンドについて、ナンバー4は前の土地にいたときとは違う人間になるために染めてのブロンド、サラはいけているブロンドから転落したブロンド、ナンバー6はミステリアスなブロンド、という具合に一般的な学園での人気者とは別の意味を持たしているのがこの映画の隠し味になっています。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

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