『アウトレイジ ビヨンド』試写会。 『ディクテーター』よりユーモアは控えめでカラリ
2012 / 10 / 04 ( Thu )
『アウトレイジ ビヨンド』
2012/10/06公開 公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/outrage2/

『アウトレイジ』の続編です。前作は「上からも下からもプレッシャーを受ける立場のヤクザは辛いよ」という部分と「バイオレンスを(残酷なだけでなく)いかに効果的に見せるか」という部分がありました。後者に関してはバイオレンス・シーンを先に決めてから話を当てはめたかのような印象すら受けました。それと比べると今作のバイオレンス描写は記号的なものとなっていて(その多くが拳銃によるものなのもそう思わせる要因です)、随分と乾いた印象を受けます。

予告でまず気になるのは山王会若頭に上り詰めた石原(加瀬亮)のキャンキャンと喋る様子でしょう。いじわるな見方をすれば空回りしたヤクザ口調がまったく似合っていません。これは演技がどうのというよりは若頭の器ではない人間が無理してその役割をこなしている姿と見るべきでしょう。ということは後で仕返しが来るに決まっているわけで、その描写に対してハードルが上がってしまうのではと余計な心配をしてしまいました。

オープニングでは山王会が大きくなり政界にも足を突っ込んできるとなっていますが、それに関しては消化不良でした。ビートたけし演じる大友が画面に出てくるの開始30分前後、それまで映画を引っ張るのは大友の高校時代の後輩、マル暴の片岡(小日向文世)です。彼は暴力団から金を掠め取りながらも、暴力団同士を対立させてそれぞれの力を弱めさせようとしています。今作ではこうした外部からの遠隔操作が大きなテーマです。そうした片岡のやり方を嫌う存在として別の刑事、繁田を登場させまだ警察の中でのあくどい世界に染まっていない人間の視点も出しています(演じる松重豊のムスっとした表情がまた良いです)。

片岡は出所した大友と、彼と前作で大友を刺した木村(中野英雄)を組ませて、山王会に叩きつけようとするのですが、出てきた大友が頼りにしたのはコリアン・フィクサー(白竜も登場)でした。つまり山王会とも関西の花菱会とも距離を置いてこちらも片岡同様に外からヤクザを操ろうとします。けっきょく大友と木村は花菱会のところに行きます。この場面は予告でもおなじみのはずです。この丁々発止のやり取り、言葉でのどつきあいはたしかに見所のひとつです。

前作では未来がないと知りながらもビートたけしについてゆく椎名桔平に思い入れしながら見ていました。実際彼にとってもおいしい役立ったと思うのですが、今作では女性もほとんど登場せず情の要素は減りました(高橋克典は文字通りクールな殺し屋)。どちらがいいかは好みでしょう。北野武映画のギャグ・パターンとして若い人が変なことをやって笑わせるというのがあります。今回担当するのは桐谷健と新井浩文、最初のヤクザ・バッティング・センター以外はもうひとつだったのは残念でした。

前作の上と下との板ばさみで辛いヤクザも良かったのですが、今作での直接手を下さずに別の勢力の力を借りながら目的を遂行する大友の姿も怖いです。続けようと思えばもう1作行けそうです。音楽は鈴木慶一、はじめはヤクザ邸でプープーという音がして吹奏楽部の練習が聞こえてくるのかと思いましたが違うようです。その後はノイジーでいながら緩やかなギターが響き、トランペットのような音も聞こえクールです。そこは『裏切りのサーカス』連想しましたが、そうした路線で統一しても映画のカラーと合っていたと思います。

テーマ:☆試写会☆ - ジャンル:映画

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