Emmy Rossum、セカンド・アルバム『Sentimental Journey』の写真他はスタンダード集
2013 / 04 / 30 ( Tue )
 Sentimental Journey [Import]Emmy Rossum |
発売日: 2013/06/04 『Sentimental Journey』Emmy Rossum

【ファースト・アルバムから約4年】
デビュー・アルバム『Inside Out』でアンビエント・ポップを標榜したエミー・ロッサム。次にアルバムを出すとしたらルーツに戻ると言っていたのでクラシカル・クロスオーバー路線になると思っていたら、さらにさかのぼって子供のころに母親が好きだったような曲のカヴァー集となった。母親は1946年生まれだが彼女が青春時代をすごした曲というよりは彼女でさえ生まれていない時代の曲が中心だ。母親の好みはデビュー・アルバムで取り上げていたカーペンターズあたりだろうと思っていたのでこれは意外だった。実際に「I'll Be With You in Apple Blossom Time」は子守唄代わりだったのだという。かつてお気に入りのクリスマス・アルバムにエラ・フィッツジェラルドのアルバムをあげていたのがこのアルバムを作るサインだったのだろう。(カヴァー集なら個人的にはクルト・ワイルか母親と同世代のローラ・ニーロが聞きたかった)。なおカウンティング・クロウズのツアーに同行した際に「ANGEL FROM MONTGOMERY」等を歌っている。

【ジャズ?オールディーズ?スタンダード?】

本作はビルボードのジャズ・チャート1位にランクインしたがジャズ色はさほど強くなくジャズというよりはオールディーズ集やスタンダード集といったほうがふさわしい。スタンダードといっても最近は広く解釈され60年代以降のロック世代の曲もスタンダード扱いされる。本作を聞くにあたってチェックしたスタンダードに関する本も同様で、収録曲で取り上げられていたのは「Sentimental Journey」「Autumn Leaves」「These Foolish Things」の3曲だけだった。ということで本作はロック時代以前、作曲家がショーや映画のために書いた曲が中心となっている。

【元ネタ?】
本作はスタンダード集であるから、どの曲が誰のヴァージョンを下敷きにしているかを詮索するのはやぼである。エミー・ロッサム本人が何組かのアーティストの名前を出しているのである程度は分かる。一番意外なのは「Nobody Knows You When You」だろう。エリック・クラプトンのデレク・アンド・ドミノスも取り上げているが、それら経由ではなくベッシー・スミス直なのだそうだ(ギター・ソロがあるのはドミノス経由かもしれない)。

【歌によるカレンダー】

昔のアメリカのLPは著作権の関係から最多でも12曲と決まっていた。これがビートルズを初めとするイギリス勢が本国とは違う選曲のアルバムを作る(作らされる)原因の一つとなっていた。本作が12曲収録(プラスボーナス曲が1曲)なのはそれを意識しているわけだが、この12という数字をカレンダーになぞらえている。3月の「I'm Looking Over A Four Leaf Clover」、6月の「Summer Wind」、10月の「Autumn Leaves」、12月「Pretty Paper」という具合だ。

【シナトラ?ブーブレ?】
ボビー・ダーリン、ナンシー・シナトラの曲も含めるとフランク・シナトラ関連の曲が一番多い。彼のキャリアを考えれば不思議はない。最近の歌手でいえばマイケル・ブーブレの立ち位置が一番近い。

【古き時代を再現】
CDはワーナーから出ているがエミー・ロッサム本人が自費を出し、LAのVillage Studioで3日間で録音されている。録音にはヴィンテージ・マイクを使用したアナログ録音だ。スタンダード集だからといって有名アレンジャー/プロデューサーを起用せず(予算の都合もあるだろう)デビュー・アルバムと同じくスチュアート・ブローリーにプロデュースを任せている。自分の音楽を新しい人たちで作り上げてゆこうとする点は好感が持てる。バック・ミュージシャンで注目なのはイタリア人マルチ・プレイヤージュリオ・カマーシー、動画サイトでドラム、ベースから管楽器まで演奏する姿が見られる。経歴はよく分からないがおそらく正式音楽教育を受けている人ではないかと思う。本作ではピアノとストリングスとホーンのアレンジを担当している。デビュー・アルバム『Inside Out』といえば一人多重録音が大きな特徴だったが、一発録りが基本の本作ではそうはいかないが、コーラス・グループがオリジナルの曲ではエミー・ロッサム本人が3人分の歌を入れている。この一人コーラスも聞きものだ。「The Object of My Affection」にはウィリアム・H・メイシーの語りが入っているが、これはiPhoneで録音されたものでこれが数少ない最新テクノロジーによる録音となっている。
スタジオ風景 http://instagram.com/p/WetWPeI9QM/

【曲目紹介】
アルバムはタイトル曲「Sentimental Journey」から始まる。ここではやや歌い方が重く感じられる。同様のことは軽快な「I'm Looking Over A Four Leaf Clover Art Mooney」もいえて、この点は少々残念だ。「These Foolish Things」「Nobody Knows You When You」といったブルーズ調の曲で聞かれるうなり節(?)はこれまでの歌唱と違いエミー・ロッサムにとっての新機軸になっている。いくつかのテレビ・ショウでも歌っているが、それを聞く限り感情が高まってうなっているというよりは耳で聞いた音源を再現しているとの印象を受ける。それを自然な歌唱ではないという意見も出ると思うが、これはこれで興味深い。「The Object of My Affection」「Apple Blossom Time」といったコーラス・グループものは、コーラスの絡み合いを味わうと同時にどのパートがエミーに合っているかを考えるのも楽しい。他の曲では「All I Do Is Dream Of You」のムーディーな味、「Things」のオールディーズっぽさがいい。おなじみの「枯葉」はフランス語も交えるヴァージョンで披露されている。ボーナス曲「Keep Young and Beautiful」はクリスティン・チェノウス似たミュージカル歌唱法で、こういうのを期待している人もいたはず。またこの曲はエミーのお気に入りシンガーアニー・レノックスが取り上げた曲でもある。
http://blog.wmg.jp/wmlife/archives/2013/02/19111040.html
http://blog.goo.ne.jp/jptmusic/e/f09a7a10dfe3df892c26396854295003

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